◆この書籍の目的:本書は、中高一貫校の合格を目指す小学生とその保護者のために書いた本です。本書では、子供の良さを100%引き出すための法則や面接で合格に導くための実践的な方法をお伝えします。
◆この書籍をお使いになる前に:本書を活用する前に、志望校の選択にあたっては、家庭内で十分な話し合いの機会を持ち、子供との合意の上でスタートしてください。万一、本書の通りにしても合格にいたらない場合があることを、予めご承知願います。
◆中高一貫校の入学試験では、正確には、試験ではなく検査として行われることから「受検」と書く場合もありますが、本書では「受験」という表現で統一しています。
志望中学にたった66日で合格できる面接の教科書
①中高一貫校とは?
◆中高一貫校の人気の秘密◆
総務省統計局「2019年中高一貫を行う学校の数(2-1・2-2)」によると、全国には664の中高一貫校があります。
行政や地方の状況により併設型・連携型があります。
そして、ご承知のように、公立中高一貫校は、非常に人気が高く、首都圏のみならず、少子化が進む地方でも、例年、高い倍率になっています。
その人気の理由は・・・
- 高校受験がないため、6年間を通して、ゆとりある学校生活を送ることができる。
- 中学校1年生から高校3年生までの、異年齢での交流により、社会性や豊かな人間性を持った人材を育成できる。
- 難関国立大学・有名私立大学からの指定校推薦枠が多い。
その他、実際に私の娘が通っていた仙台の公立中高一貫校の保護者からは・・・
- 教員の質が高い。したがって、授業の質も高いため、授業が面白い。
- 進路対策講座が多い。塾以上に、情報収集が早く、情報量も多く、保護者も聞くことができる。
- 生徒は面接試験で選抜しているので、問題を起こす生徒が少ない。
いじめや部活内の上下関係のあつれきもないので、子供が楽しく、安心して通える。などの意見も聞いています。
◆入学選抜の4つの資料◆
既にご承知だと思いますが、確認をかねて記載します。
中高一貫校の入学選抜には、①調査書②適性検査③作文④面接(志望理由書を含む)の4つがあります。
➀調査書:小学校の先生が作成する資料で、評定を基準に学内活動やクラブ活動の実績や日常行動や出欠などを参考にして作られます。多くは5・6年生の2年間が対象です。
②適性検査:言うなれば学力試験です。ただし、中高一貫校は、複合的学習能力を重視しますので、教科横断型の問題が出題されます。小学校教育の知識をベースに、総合的に判断する力や自分なりの提案ができるかが問われます。
③作文:一般的に、与えられた文章を読み、それに関する課題について自分の体験・経験・知識をからめながら400~500字程度の作文を課されます。
④面接:個人面接や集団面接など、学校によって形式が異なります。多くの学校は、出願時に提出した志望理由書が、面接の資料になります。
上記➀~③の対策は、既になされていると思いますが、④の面接対策は、どうでしょうか?学校や塾に任せきりでよいのでしょうか?
受験は子ども一人では乗り越えることは、困難です。
事実、ある進学塾のアンケートの「つらい時に、一番助けてくれた人は?」の質問では、
1位:お母さん
2位:お父さん
3位:塾の先生
という結果になったそうです。
②そもそも面接試験って?
◆面接試験の目的◆
- 学校の教育理念・教育方針を理解しているか?
- 適性検査・調査書ではわからない生徒一人一人の 個性や人間性を見る。
- 入学に対して強い意欲・熱意を持っているか?
公立中高一貫校の約9割で、入学試験に面接試験があります。これは、先に述べたような目的により、自分の学校に入学させたい生徒の選別が行われます。
面接では、いくつかの質問を通して、調査書の内容と食い違いがないかチェックし、調査書や適性検査では見えない子供の熱意や真の姿を見極めるのです。
面接で話す内容は、事前に準備することができます。
しかし、面接官が見るポイントは、話す内容だけではありません。面接官は、あらゆる角度から、あなたの子供を見ます。
◆面接試験の流れ◆
入室から退室までを簡単に言うと、次のような流れになります。
◆面接の悩み◆
私は、宮城県仙台市で、面接専門の塾を経営しています。
その中で、面接に関する悩みで多いものは、次の3点です。
- 質問にどのように答えたらよいのかわからない
- 話すのが苦手で、言いたいことを上手に表現できない
- 面接に必要なマナーがわからない
これらは、携帯電話、メール、ゲーム、LINEなどのインターネットによる非対面型コミュニケーションの発達したことが、原因と言われています。
つまり、人と直接会って話す回数が、私たち親の時代から、劇的に減っているということ。
したがって、直接会った時に感じる、相手の表情やしぐさ、視線(=非言語情報)から、相手の意図や本来の気持ちを知り得る能力が低下し、相手の話を良く聴き、自分の意見をきちんと話すコミュニケーションの基本ができない子供が増えているのです。
また、筆記試験の実力はあるのに、「とにかく、面接試験が不安でしかたがない」と、心理的に追い詰められる子供もいます。
子供にとって、面接試験は、初めての経験ですから、不安になるのも当たり前ですが、適性検査や作文が合格判定でも、面接で不合格になる子供がいるのは、事実です。
この本を見た方の中には、これらの問題は、「2、3回の練習すれば解決できる」「本を読んだだけで何とかなる」と、思う方がいるかもしれませんが、もし、世の中の人が、本を読んだだけで達人になれるのなら、学校も塾も必要ありません。
面接対策は、そんな簡単なものではありません。
この本を【じっくり読み、考え、親子で真剣にやってみる】ことが大切です。
では、実際に、面接対策は、どうしたらよいのか・・・。
◆面接対策って・・・◆
面接は、複数の面接官で行われ、それぞれの役割が決まっています。
例えば、面接官がABC 3名の場合には、Aは質問者、Bは質問の回答、Cは身だしなみ、しぐさや態度、目線など、言葉以外の情報のチェックというように、事前に役割分担をしています。
したがって、多方面から対策を行う必要があります。
本書では、「面接対策の前にすべきこと」として、まず「自分の子供を知る」。次に、「志望校を知る」ところから始めます。
「そんなこと、もうしてます!」と、言いたいところでしょうが…
では
- 子供の良い所10個、直すべきところ10個
- 志望する学校が、子供さんに合っていると思う理由
- 子供さんが、その学校を志望する理由
- 志望校の前年度の志願倍率
- 志望校の住所・校長先生の名前
いかがでしょうか?ササっと全部答えられましたか?
次に、学校が求める生徒像と自分の子供を照らし合わせます。
ここで、不整合な点があれば、子供としっかりと話し合いましょう。
入学してから「合わなかった」では、一番苦しむのは、あなたの子供です。
そして、想定される質問に対する、回答を結論と理由をセットにして、30秒から1分程度で話せる様に、回答用原稿を書きます。
仕上げに、入退室の仕方や好感度が上がる挨拶、面接にふさわしい話し方などの面接の基本的マナーを身につけていきます。
最後に、模擬面接を行います。
実は、これらは、私自身が、自分の子供たちに実践した面接対策の方法なのです。
これまでの人事採用面接官の経験やハローワークでの約25,000人の就職支援、職業相談、31年間のマナー講師をして見つけた法則を、面接対策に取り入れました。
保護者の皆さんができるよう全てお伝えします!
③合格の3つのポイントはこれ!
➀見た目(表情・髪型・服装など)
②話し方(声の大きさ・声の高さ・話すスピード・言葉遣いなど)
③面接のマナー(入退出・立座姿勢・おじぎなど)
◆見た目◆
長く面接の仕事をしていて感じたことは、「見た目は、その人そのものを表している」ということです。
もちろん、それは外観に対する偏見ではありません。
「見た目」は、表情(化粧も含む)と身だしなみの要素(髪形・髪留め・メガネ・服装・靴下・靴・時計・ベルト・バック・アクセサリーなど)に分けられ、どんな髪型をして、どんな化粧をして、どんな服を選ぶかは、その人の思考や価値観が決めています。
中学受検の面接では、もちろん化粧やアクセサリーの要素はありませんが、入室時に、あなたの子供が、どんな表情をして、どんな服装をして入ってくるのかは、重大な問題です。
なぜなら、その表情や髪形に、入学に対する熱意や意欲が表れるからです。
下の図は、第一印象(本質印象)を決める構成要素が、占める割合を表しています。
一番の要素は、目から入る情報でなんと55%!入室から最初の2~3分で、あなたの子供の印象が、決まってしまうのですから、「見た目」を十分の整えておくことが、合格への第一歩であることを、しっかりと理解してください。

では、具体的に、面接官は、見た目(=表情と身だしなみ)からどのように感じとっているのでしょうか。
ここ大事ですよ!
表情:表情は、人の感情をもっとも良く表します。もちろん、子供によって、感情表現が得意な人と苦手な人がいますが、面接では、表現力が必要になります。
なぜなら、面接では、「入学への熱意」「入学してからのやる気」を見るわけですから、それを、面接官に伝えなければなりません。
例えば、面接では、必ず志望理由を聞かれます。その時に、どんな表情で話せば面接官に、熱意や意欲が伝わるのでしょうか!
それは・・・
- 質問に答える時の最初の言葉 「はい!」は、目を大きめに開けて、面接官の目を見て!
- それ以外は、必ず笑顔でなくても良い。話の内容に合わせて表情を変える。
真剣な話しの時には、強めの眼差しで硬い表情で、うれしい・楽しい話の時には、目を細めて笑顔で。
普段より、少しオーバーかなと思うくらいの表現で!
本当にそう思えば、自然にそうなるはずです・・・・と言ったら元も子もない話ですが、最初は、無表情で表現力が控えめな子供でも、回答用原稿をしっかりと作り、何度も何度も読みこなして、人前で話す練習をすると、自信にあふれた生き生きとした表情が、必ず出来るようになりますので、どうぞご安心ください。
きっと、あなたは、自分の子供の変化に驚かれるはずです。
身だしなみ:身だしなみとは、「人に不快感を与えないように、言動や服装を整えること。
また、その心掛けをすること」です。
面接において、身だしなみが、整っていれば、入学の意欲や真面目さを、印象付けることができ、逆に、乱れた服装や髪形では、面接官にマイナスの印象を与えてしまいます。
事実、面接試験は理屈ではなく、面接官の感覚で判断されることも、少なくありませんので、事前準備をしっかりとしましょう。
また、身だしなみに関する相談は意外と多く、親にとっては悩みどころです。
家族では、見慣れているため、気付かない点もあります。試験日の10日前に必ず家族以外の方に、髪形と服装(靴・かばん含む)のチェックを身だしなみチェックシートを使って、お願いしてください。
◆話し方◆
第一印象の構成要素の2番目は、38%の耳から入ってくる情報です。
面接では、質問に対する自分の思いや考えを、言葉で表現しますが、その言葉が、面接官に、ちゃんと伝わっていなければ意味がありません。
そのため、声の大きさ・声の高さ・話すスピード、そして面接にふさわしい言葉遣いが重要です。
言葉遣いは、小学生であっても、尊敬語・謙譲語・丁寧語・美化語の4つの敬語の区別を理解し、基本的な単語の変化は、暗記しておきましょう。
また、話す内容=質問の回答については、第2章で詳しく書いていますので、必ず読んでください。話し方以前に、話す内容がきちんとできていなければ、元も子もない話です。
◆面接のマナー◆
「入学の熱意を伝えるための行為」
「面接官に不快感を与えないための行為」
面接に関する質問で、マナーに関する相談はかなり多く、皆さん、何が正解かわからないため、第3章の中で詳しくお伝えしています。
実践的な要素は、面接時の入退出・立座姿勢・おじぎ・視線合わせ・言葉遣い・返事の仕方など、細部にわたりますが、面接対策で身に付けたマナーは、子供の将来に必ず役に立つものですから、この機会に正しい知識とコツを学んでください。
また、マナーは、それぞれの家庭で、日頃から教育している内容もあるので、習得スピードに、個人差が出ます。
したがって、自分の子供を見て、
「声が小さくて、何を言っているのかわからない」
「相手の目を見て話せない」
「言葉遣いが乱暴」
「行動が雑」
など、日頃の行動を改善させる場合には、時間をかけて丁寧に進める必要がありますので、出来るだけ早く準備を始めましょう。
ここで、ズバリ言います
面接対策は、ある一定期間、真剣に取り組まないと、効果が出ません!
面接は筆記試験と違い、知識を積み上げていくものではありません。
特に、公立中学校の面接試験は、面接での人間性を重視するため、模範文の暗記などの小手先のやり方では、合格できません。
「自分はなぜ、この学校を選んだのか」
「この学校に入ってどんなことをしたいのか」
など、しっかりと考え、実際に自分の言葉で話し、相手にちゃんと伝わったかを確認することが大切です。
一定期間の時間をかけて、準備し、面接対策を何回もやってみる事が必要なのです。
相手=面接官役は、お母さん、お父さんです。自分の子供の良い所・改善すべきところが、どんどん見えてきますよ。
たった15分の面接が子供の未来を変えてしまうのですから、おのずと力が入るはずです。
したがって、スタートは、受験日から半年前。
公立中学校の受験日は、例年であれば、1月10日前後ですので、夏休み頃から始めるのが良いでしょう。
「え!もう、過ぎてる!」と、思った方!大丈夫です。
ぜひ最後までお読みください!
はじめに
この度は、本書をお買い上げいただきまして、誠にありがとうございます。
本書は、中学受験で面接に不安を感じている子供さんを持つ、保護者の皆さんのために書いた「面接試験で合格するための本」です。
ですが、最初に言っておきます。本書は、合格することだけを目的に書いた本ではありません!
面接対策は、あなたと子供の絆を深め、輝かしい未来に向かうための力を、親子で一緒に見つけるためのプロセスです。
少しだけ、私の話を聞いてください。
私が、受験専門の面接対策を始めようを思った原点についてお話します。
私には、現在30歳の息子と19歳の娘がいます。息子は国立大学の推薦時に、娘は公立中高一貫校の入学試験で面接試験があり、2人とも私が面接対策をしました。
最初の息子の時には、私も30代でしたのでエネルギーがあふれており、受かるためとはいえ、ゲンコツはする、竹刀でお尻をたたく・・・今では考えられないことですね。
しかし、そんな私に対して、息子は極めて冷静に一生懸命に応えようとしていました。
そして、最初の模擬面接で一度も練習していない意地悪な質問:「もし、あなたが時間とお金を自由に使えるとしたら、何をしますか」をした時に、私は、息子の回答にハッとしました。
その答えは・・・・
「はい。私は世界中を周って、色々な人と出会って話したり一緒に食事をしたりして、その国の人々の生活を肌で感じて、自分にできることは何かを探してみたいです。」
この答えは、模範的ではありませんでしたが、その答えを聞いた時に、
「自分の子供なのに知らないことがある。子供は親の知らないところで、どんどん成長して考えも変わっていく。子供には親さえも知らない世界が広がっているんだな」
と、思いました。
同時に、それを話す息子の瞳が、他のどんな質問に答えた時よりも、はるかにキラキラと輝いていたことを、今も鮮明に覚えています。
そして、それ以来私は、人間の想像力と可能性は無限なんだ。
自分の考えで子供の人生を狭めてしまうような言動はしないと決めました。
娘も同様に面接対策をしました。あなたの子供と同じくらいの小学6年生。
今のあなたの気持ちが良くわかります。反抗期もあって、親もなにかと気を遣いますね。
話しが長くなりましたが、ぜひ、この本を基に親子で受験を乗り越えましょう。
あなたの想いも大変さも私が共有しますから。
さあ!一緒に始めましょう!
第1章:面接対策の前にすべきこと
「面接対策」と聞くと、入退室や挨拶の仕方を練習すると思うかもしれませんが、私の面接塾では、このような方法を学ぶ前に、もっと大切なことに時間をかけます。
もちろん、面接対策において、正しい挨拶は重要な要素ですので、きちんとできるまで練習してもらいます。
しかし、それ以前に大切なことがあります。
それは、先ずは、子供自身が自分と向き合って、自分を理解し、その学校を目指す理由を自分の中から導き出すことが大切です。
その過程を通り越して、正しいおじぎができるようになっても意味がないのです。
①自分を知る(子供のことは、意外とわからない)
(お願い:大切な部分なので、あなたの子供に、必ず読ませてください)
あなたにとって、入学試験は大切なことですが、それは今現在のことであって、入学試験のその先にあるもの=あなたの未来をイメージしてみてください。
何が見えますか?
そこに見えるのは、あなたの歩む道・進む方向です。そのためには、何が必要か?
それは、「自分を知ること」です。
「自分を知ること」で、自分の価値観(=物事の良い悪いの判断・好き嫌いを決める自分の基準など)が見えてきます。
自分を知る事が、あなたの未来=進路や仕事を選択するのに、とても重要なことなのです。
あなたは、どんなことが得意ですか?
あなたは、何が好きですか?
あなたは、何をしている時が一番楽しいですか?
自分のことなのに、パッと出てこなかったり、言葉で説明できなかったりしませんか。
面接試験では、面接官が、あなたのことを知りたくて、色々な質問をします。
この時、自分のことなのに、答えられないことがないように、お母さん・お父さんに手伝ってもらいながら、次に行う「20の私」というワークで、自分を見つけていきましょう。
◆20の私◆
「20の私」という心理学の技法を知っていますか?
これは、「who am I?」(WAI技法)を用いて、自分発見をする方法です。
実際に、私の面接塾でも、最初のワークとして行っているのですが、子供の性格・嗜好・夢・悩みなどが、はっきりとわかります。
*参考:自分発見「20の私」 松原達哉著
「ちょっと待って、自分の子供のことなら、今更やらなくてもわかってる!」と、言いたいと思いますが、なぜ面接対策の最初に、あらためて「自分の子供を知る」作業が必要なのか・・・・・
それを、お伝えする前に、先ずは、やってみましょう!

➀ワークシートを下記よりダウンロードしてから、2枚印刷して用意する
②あなたと子供がそれぞれ書き出してみる
- 親は子供のことを、子供は自分自身のことを書く
- 最初は、相談しないで書く
- 時間がかかっても良いので、自分の長所・短所、好きなこと・嫌いなこと、将来の夢や希望、今熱中していること、悩んでいることなど20個書いてください。
11個目位から、進まなくなるかもしれませんが、とにかく20個書き出すことが大切です! - 2枚を照らし合わせて、同じだったところ・違っているところを見つけ出します。
親子で同じだったところに関しては、お互いを程度理解し合えていると考えてよいでしょう。
もし、違っている点があれば、お互いに、なぜそう思ったのかを話して、理解を深めておきます。
いかがでしたか?
予想通りでしたか?
意外な点は、ありましたか?
初めて知ったことは、ありましたか?
この「20の私」シートは、第2章の回答用原稿を書く時に使いますので、しっかり仕上げておいてくださいね。
それでは、なぜ、《自分の子供を知る》必要があるのか、ご説明します。
◆自分の考えを言葉で伝えることの重要性◆
子供は、親が気付かないところで、日々変化、成長しています。昨日まで、親の言うことを素直に気いていた子供が、言い返したり、反抗したりするのです。
しかし、それは、当たり前のこと。
小学校の高学年は、身近な大人への反抗や批判が出始め、男女差や身体に目覚め、こだわったりする年頃です。今までの自分とは、違った環境の友人・人気のある年上の同性に憧れたり、親に内緒の出来事や隠し事をしたりして、少し大人になったような感覚を覚えます。
子供は子供なりに、自分の意見や考えを、しっかりと持ち始め、日々変化、成長しているのです。
面接の練習をしていくと、「自分の子供が、こんな考えを持っていたのか?」と、驚く場面に出会うはずです。
親が知らないところで、子供はどんどん成長しているのです。面接の練習で、その姿を目の当たりにすることも、珍しくありません。
今から、楽しみにしていてください。
そして、何度も言いますが、面接は、子供の本質を見るのが目的ですから、親や先生に言われた通りの話をして、合格するはずがありません。
いくら台本を丸暗記したとしても、当日の体調や緊張で、頭が真っ白になることもあります。
その時に、自分の言葉で考えた子供と、台詞を丸暗記した子供とでは、咄嗟に出てくる子供の本心や入学したいという熱意の伝わり方が全く違うことを、判定権限を持つ熟練の面接官ほど、敏感に感じ取るのです。
◆入学したその先をイメージする◆
子供が、入学試験に合格することは、とても重要な目標です。しかし、それは、今現在の目標であって、そこで終わりではありません。
自分が選んだ中学校に入って、何をして、どんな進路に進んでいくのか・・・など、入学したその先をイメージすることが、もっと大切です。
これを、常に頭の中において、練習をしてください。
そして、
「そもそも、自分がこの学校を希望する理由って?」
「自分は、どんなことが得意で、どんなことが苦手なのか?」
「自分は、将来、どんなことをしたいのか?」
「何になりたいのか?」
「自分って?」
自分を知るワーク(=20の私)を通して、子供も親も、これまでの歩みを振り返り、これからの方向性を考え、進路や将来の目標に対する目的意識を明確にすることで、さらに自己を深めていきます。
つまり・・・・・
自分の良いところも、ダメなところも、全部ひっくるめて自分なんだと、受け入れる。
これは、自己肯定感と言って、自分の能力や存在意義を、自分自身で認めて、このままの自分で良いのだと、肯定してあげる感情のことです。
自己肯定感が低いと、自分を信じていないため、困難なことがあると、すぐに諦めてしまいます。
ちょっとしたことで悩んだり、自分はダメだと、落ち込む傾向の子供には、この「20の私」の答えを、一つ一つ紐解き、「どうしてそう書いたのか」を引き出してみると良いでしょう。これまで知らなかった子供の良さが、きっと見えてくるはずです。
そして、それを子供にフィードバックしてあげる。
この行為が、親子の信頼関係を高め、子供は、少しづつ自信を持ち始めます。
そして、合格への意欲を、さらに高めることになるでしょう。
②相手を知る(志望校を良く知ることが大切)
◆「彼を知り己を知れば百戦殆うからず◆
古い例えですが、「かれをしり おのれをしれば ひゃくせんあやうからず」とは、「孫子」の一節で、勝つための格言として、昔からよく言われている諺です。
入学試験では、彼とは、志望校です。
志望校の教育方針・指導目標・学校経営の指針・求める生徒像・先生・部活動実績・総合学習や部活動実績・選抜方法・面接内容など、あらゆる情報です。
相手を知る=志望校の情報を収集し、分析し、対策を取ることが、合格のカギなのです。
そして、同時に自分のことも正しく理解し、自分の長所短所は何かを、知っておくことも必要であることは、【①自分を知る】でも、述べましたね。
◆志望する学校を、どのように知るのか◆
今更の様ですが、基本ですので記載します。
➀学校案内・HP
特に、総合学習で行われている活動や各クラブの成績などは、こまめに見ましょう。
その中で、子供の興味を引く出来事や魅力に感じることが見つかると、入学への意欲が高まり、面接でより具体的な回答が出来るようになります。
②保護者説明会・学校説明会の資料
③文化祭・学園祭時の入試相談コーナーの資料など。
担当者がいれば、「志望校が求める生徒像」について、直接聞いてみることをお勧めします。
◆これらを、どのように活用するのか◆
相手を知る=志望校の情報を収集し、分析し、対策を取ることが、合格のカギ
相手=志望校に関する情報を収集し、そこから、子供にとって有効な情報を選別します。
➀~③の資料は、保護者用に書かれていることが多いため、小学生には読み解けない内容です。
したがって、
①親であるあなたが、まずしっかりと資料を、くまなく読むことから始めてください。
②子供と一緒に、志望校の所在地・校長先生の顔と名前を覚えましょう。「これ、必要?」と、思うかもしれませんが、必要です。あなたが、就職試験を受けるとしたら、その会社の社長のことを調べるはずでしょう。それと同じです。
③校訓を読み、しっかりと理解します。校訓は、この学校の教育方針・指導方針・育成する生徒像などを成文化したものですから、わかりにくい漢字で書かれていることが多いので、必ず子供がわかるように説明してくださいね。
④学校生活は、勉強ばかりではありません。特にその学校が今、力を入れて行っている事業(国際交流事業や環境への取り組みなど)・その学校ならではの総合的学習の様子・部活動や学年行事もしっかりとチェックしてください。
それが、志望する学校のウリです。
また、子供の興味や関心がある項目・話題を見つけたなら、その記事について一緒に考え、共感できることであれば、面接時の回答に組み入れましょう。自分の興味関心がある項目が多いと、面接で熱意を持って話すことができます。
⑤学校説明会の資料には、「学校が求める生徒像」が、書かれていますので、必ず、親子で読んでください。自分が志望する学校がどんな人を求めているのかが書かれているのですから、それに合う人が合格するわけです。
例えば、仙台二華中・高の求める生徒像の中には、「自ら学ぶことを信条とし、特に読書を大切にする」と、あります。
したがって、この学校は、本をよく読む生徒が好きなんだと、わかるわけです。このように、志望校が求める生徒像を、親子で作り上げていくイメージで、面接対策を行っていきましょう。
③コミュニケーション能力を身につける
◆コミュニケーションとは◆
面接に限らず、クラスメイトや友人・部活動の仲間との人間関係においても、コミュニケーションは大切です。
コミュニケーションという言葉は、元々の意味は、ラテン語のcommunicatioに由来しており、「分かち合うこと」を意味しています。
したがって、一方的に話すだけのでは、コミュニケーションとは言えません。
コミュニケーションとは、相手の話を良く聴いて、自分の意見も言う。相互の理解と意思伝達のことを言います。
キャッチボールのように、言葉を投げかけたり、受け止めたりするようなイメージで、面接官とのやり取りをしましょう。
◆バーバルコミュニケーション(言語)・ノンバーバルコミュニケーション(非言語)◆
私たち人間のコミュニケーションの手段は、主に言葉(=ノンバーバルコミュニケーション)ですが、実は言葉以外(=ノンバーバルコミュニケーション)でも、相手に自分の感情や意志を伝える要素があります。
それは、話し手の表情や身振り、しぐさ、目、指先、姿勢、声の大きさ、トーン、話すスピードなどです。
例えは、言葉では、「入学したら、しっかり勉強します」という話の内容を、暗い表情で、面接官の目を見ないで、小さな声で話したとしたら、どうでしょうか。
面接官に、勉強の意欲は、伝わるでしょうか? この場合は、話しの内容とは真逆のやる気のない印象が残ってしまいます。
このように、面接官は、話す内容以上に、あなたの子供の態度を注視しています。
つまり、面接では、話す内容だけではなく、全体の印象を左右するノンバーバルコミュニケーションに気を遣うことが大切です。
◆コミュニケーション能力のカギは「聴く力」◆
面接に関する相談の中で、「上手く話せない」「何を言ったらよいのかわからない」など、話す側に傾倒した悩みが多いのですが、実は、これらの問題は、相手の話を良く聴いていないことに一因があります。
コミュニケーション能力を身につけるカギは、「聴く力」です。話すことばかりに気を取られるのではなく、「面接官は、何を聞いているのかな?」と、相手の質問を正確に聴き取り、質問の内容を、ちゃんと理解する。
万一、聞き取れない時には、「申し訳ありませんがもう一度おっしゃって下さい」と、聴き直す。
これが重要です。
質問を理解せずに、的確な答えを言えるわけがありません。
中高一貫校の面接は、集団面接ですから、全体で15分から20分の間に5,6問の質問が出されます。
与えられた時間は、一人5分。たった、5分しかありませんので、言い直しをする時間はありませんよ。
《親子だからこそ、気を付けるべきポイント》
自分の子供に教えるのは、一歩間違えると、地獄を見ます。
親子だからこそ、子供は甘えが入るし、親は、こちらが期待したように出来ないと、言葉がキツくなったり、手が出たりしてしまいます。
お母さん、お父さん、どうか、他人の子供に教えると思って、進めてください!
第2章:具体的な面接対策
①志願理由書について
志願理由書は、願書に同封するもので、文字通り、「その中学校に入りたい理由」を書くものです。
また、学校によっては、「将来の夢・希望」「入学して頑張りたいこと」なども併せて記入するケースもあります。
この志願理由書は、面接時に調査書と一緒に面接官の手元にあり、面接官は、これらを見ながら面接をします。
したがって、志願理由書の内容と面接時の回答が、合致していなければなりませんので、志願理由書は、必ずコピーしておきましょう。
志願理由書の書き方についての詳しい説明は、本書では省きますが、1点だけ言いますね。
「その学校に入らなければ、できないこと」「その学校でしか、やっていないこと」 を書く!
どうしても、当てはまることは、見つからない場合には、中高一貫校ならではの特徴を、あなたの子供と照らし合わせて考えてみてください。
志望理由は、当然、面接で必ず聞かれます!しっかり考えて書きましょう。
参考資料として、私の娘が、仙台二華中学校に合格した時の志望理由書を、載せておきます。

②回答用原稿を書く
模範回答を見ながらでもい良いので、まず、代表的な質問に対する回答用の原稿を書きましょう。
実際に、話してみるとわかりますが、細かい言葉尻や接続詞をあまり気にすることはありません。
話しの筋を理解するようにして下さい。
そして、なにより発言者は小学生であることを忘れないようにして、大人が使うような熟語や言い回しをしないように注意して書いてください。
下記が、中高一貫校の面接で、よく出される質問20選です。
以下が質問の8分野です。
- 本校を志望した理由を教えてください
- 本校のどのようなところが良いと思いましたか
- 本校までどのようにして来ましたか
- あなたの長所・短所を教えてください
- あなたの特技・趣味を教えてください
- あなたの得意科目と苦手科目は何ですか
- あなたの将来の夢・希望は何ですか
- 入学したらどんなことをがんばりたいですか
- 勉強以外でやりたいことはありますか
- 小学校生活で最も印象に残っていることは何ですか
- 小学校で一生懸命取り組んだことは何ですか
- 環境問題についてどのように考えていますか
- 海外のニュースで気になることはありますか
- 最近読んだ本は何ですか
- あなたの好きな言葉はありますか
- 尊敬する人は誰ですか
- クラスの友人と仲良くするためにはどのようにすればよいと思いますか
- 思いやりや優しさについてどう考えていますか
- 筆記試験はどうでしたか
- 受験が終わったら何をしたいですか
質問の言い回しは、当然のことながら、多少変わります。記載の文面は、あくまでも一般的な表現です。
言い回しの違いはありますが、面接官が聞いていることが、質問の8分野の中のどの分野なのかを、的確に判断しましょう。
◆原稿の書き方のポイント◆
➀質問の分野を、自分を知るワーク(=20の私)を見ながら、分類する質問の8分野は、ここで必ず暗記してください。
【1:志望理由に関すること】
【2:自分に関すること】
【3:入学後に関すること】
【4:小学校生活に関すること】
【5:社会の出来事に関すること】
【6:本・言葉・人に関すること】
【7:人間性に関すること】
【8:その他】
そして、この分野に関するものを、「20の私」で書いたものと結び付けます。
「20の私」
1.私は、小学校2年生から5年間、バスケットボールをしています。
2.私は、お菓子が大好きなので、よくケーキを作ります。
3.私は、整理整頓が苦手です。
4.私は、人前で話すのか苦手です。
5.私は、将来、看護師になりたいです。
6.私は、韓国料理が好きなので、韓国に行ってみたいです。
7.私は、「チョコレート工場の秘密」という本が好きです。
8.私は、小さい子供の世話をするのが、好きです。
9.私は、友人から、明るい性格だと言われます。
10.私は、細かいことが苦手です。
11.私は、友達から相談されることが多いです。
12.私は、プログラミングにとても興味があります。
13.私は、自由研究で、水質汚染についてやりました。
14.私は、いじわるする人が嫌いです。
15.私は、マンガをよく読みます。
16.私は、小さいころから、水泳が得意です。
17.私は、自分より友だちの意見に合わせてしまう時があります。
18.私は、我慢強いです。
19.私は、飼っている猫の世話を毎日します。
20.私は、ゲームをするとストレスがなくなります。
◆上記のAさんが書いた「20の私」を、質問の8分野に分類します。
【1:志望理由】・・・・・・5、12
【2:自分】・・・・・・1~20
【3:入学後】・・・・・・1、5、6、12、13、16
【4:小学校生活】・・・・・・1、12、13
【5:社会の出来事】・・・・・・13
【6:本・言葉・人】・・・・・・7、15
【7:人間性】・・・・・・8、11、14、17、18
【8:その他】・・・・・・3、15、20
ただし、すべてが、ピッタリと当てはまるわけではありません。
「20の私」を活用しなくとも、書ける場合には、ムリに結び付けなくても良いです。
②結論+理由のセットで!
質問に対しては、自分の考えの結論を先に述べて、その後に、そう考えた理由や具体的な体験・エピソードを入れると、話しが伝わりやすくなります。
また、結論+理由(説明・体験・エピソード)セットで話すことで、面接官に、「この生徒は、筋道を立てて考えているな」 「ちゃんと自分の経験を基に話しているな」と、アピールできる上に、話しの整合性(矛盾がない)や独自性(他の人とかぶらない)が高まります。
面接対策における親の役割は、子供の潜在意識から湧き出る言葉を引き出すことです!
文章は、産みの苦しみが伴います。だから生きた言葉になるんです!
子供が口ごもっていても、「だから、何!!」「どういう意味かわからない!」などと言っては、おしまいですよ!
親の出番は、「こう言いたいけど言葉が見つからない」と言う時。インターネットを駆使して、子供の気持ちや考えにピッタリの言葉を探すお手伝いをお願いします。
③具体的にどのように書くのか?
◆質問の8分野の【2:自分に関すること】の⑦「あなたの将来の夢・希望は何ですか」の回答例に対して、A さんの「20の私」:5番目、7番目を使います。
5番目:「私は、将来、看護師になりたいです。」を使った回答例
「私は、将来、人の役に立つ看護師の仕事をしたいと考えています。
私は、5年生の時に、足を骨折して入院した経験があるのですが、その時の看護師さんの優しい対応のおかげで、痛みや不安な気持ちが和らぎ、とても助かりました。
それがきっかけで、将来は、看護師になりたいと思いました。」
結論
私は、将来、人の役に立つ看護師の仕事をしたいと考えています。
体験
私は、5年生の時に、足を骨折して入院した経験があるのですが、
理由
その時の看護師さんの優しい対応のおかげで、痛みや不安な気持ちが和らぎ、とても助かりました。それがきっかけで、将来は、看護師になりたいと思いました。
*このように、結論と理由をセットで書いてください。その際に、理由の最後が、必ずしも「○○からです」と、言わなくても良いです。
12番目:「私は、プログラミングにとても興味があります。」を使った回答例
「私の将来の夢は、介護をする人が楽になるロボットを作ることです。そのきっかけは、小学校5年の夏休みにプログラミングの体験教室に行ったことです。
そこで、ロボットを自分の言葉通りに動かすことができて、とても面白かったので、それから興味を持ち始めました。」
結論
私は、将来の夢は、介護をする人が楽になるロボットを作ることです。
体験
そのきっかけは、小学校5年の夏休みにプログラミングの体験教室に行ったことです。
理由
そこで、ロボットを自分の言葉通りに動かすことができて、とても面白かったので、それから興味を持ち始めました。
④1つの質問には、30秒以内で話せる内容を書く
面接官にとって一番困るのが、「ダラダラと話す人」です。
中高一貫校の面接は、5人1組の集団面接で、全体で30分前後。1人当たりの持ち時間は、5分程度です。
したがって、1つの質問には、30秒~1分で話してください。30秒で話せる文字数は、150字程度です。
もちろん、文字数は、使う漢字の数によって、変わりますので、秒針のある時計を見ながら、普段よりゆっくとしたスピードで話してみてください。
(*ちなみに、話すスピードについてですが、前項➀で書いた看護師の夢の文章は、125文字ですが、20秒で、読めるスピードがベストです)
⑤実例超頻出質問20選 模範回答とNG回答
書き言葉と話し言葉では、表現のニュアンスが多少違うところがあります。
実際に、話してみるとわかりますが、細かい言葉尻や接続詞をあまり気にすることはありません。
話しの筋を理解するようにして下さい。
そして、なにより発言者は小学生であることを忘れないようにして、大人が使うような熟語や言い回しをしないように注意して書いてください。
【志望校に関すること⇒4つ】
➀本校を志望した理由を教えてください
※OKのポイント
・将来の目標が明確
・志望校の特徴を良く調べている
※NGのポイント
・志望理由に説得力がない
②本校のどのようなところが良いと思いましたか
※OKのポイント
・文化祭での具体的な体験が盛り込まれている
・中高一貫校の特徴をおさえている
【NGパターン】 「はい。 学校が新しくて、制服も可愛いので、それが良いと思いました。 あと、部活も必ず入らなくてもよいというところも良かったです。」 |
※NGのポイント
・学校の良い点ではあるが、もっと前向きな理由はないのか。
③本校までどのようにして来ましたか
※OKのポイント
・過不足なく答えている
※NGのポイント
・中高一貫校は、広域から通学する生徒が多いので、聞かれる率も高い。
きちんと答えらえれるように。
【自分に関すること⇒4つ】
④あなたの長所・短所を教えてください
※OKのポイント
・自分の性格を理解している
・具体的な説明がされている
・短所の改善策が述べられている
※NGのポイント
・友達の意見を引き合いに出さず、自分の考えとして答えればよい。
・短所を述べた後は、必ず改善策を言う。
・「嫌なことを直ぐに顔に出す」は、好ましくない人物のイメージを与えてしまう
⑤あなたの特技・趣味を教えてください
※OKのポイント
・長い期間続けていることをしっかりアピールしている
・水泳を続けることのメリット(良い点)を述べている
※NGのポイント
・説明不足
・どんなジャンルの料理が得意なのか、最近作った料理は何かなどについても答える。
・得意なのは何ですかと、突っ込まれる可能性が高い
⑥あなたの得意科目と苦手科目は何ですか
※OKのポイント
・具体的な表現
・「教えてくださる」敬語表現ができている
・中学校への期待感が感じられる
・苦手になった原因を理解している
・克服の意欲を述べている
※NGのポイント
・得意・苦手の理由が、他人事。
・苦手を先生のせいにするのは、問題外
⑦将来の夢・希望は何ですか
※OKのポイント
・目標が具体的
・自分の体験に基づいていて説得力がある
・理由の説明も素晴らしい
※NGのポイント
・本当に宇宙飛行士になりたいになら、もっと具体的なエピソードを言おう!
・すくなくとも、宇宙飛行士になるためには、どんな勉強や必要なのか、どんなメンタルが求められるのか位は、答えられるようにしておく
【入学後に関すること⇒2つ】
⑧入学したらどんなことをがんばりたいですか
※OKのポイント
・意欲的で熱意を感じる
・理由の説明も納得できる
※NGのポイント
・入学の意欲が感じられない
⑨勉強以外でやりたいことはありますか
※OKのポイント
・説明がわかりやすい
・地域と積極的に関わる姿勢が高評価
※NGのポイント
・言葉遣いがNG
いろんな→いろいろな
合唱とか→合唱
【小学校生活に関すること⇒2つ】
⑩小学校生活で最も印象に残っていることは何ですか
※OKのポイント
・説明が具体的
・実体験から得た経験なので納得性が高い
・クラスメイトとも仲良くできる人物だということを印象付けた
※NGのポイント
・印象に残っていることは何と聞かれたら、話し初めには、そのまま引用するのが基本
・楽しかっただけではなく、就学旅行の本来の目的にふれる。
例えば、集団行動がきちんとできた、外国の人と初めて話して、英語に興味を持ち始めてたなど
⑪小学生時代で一生懸命取り組んだことは何ですか
※OKのポイント
・オリジナリティーがある
・状況表現が素晴らしい
・親子関係が良好であることを印象付けることができた
※NGのポイント
・パッと読んだだけでは、特に悪くないと思うが、ありきたりの答えで面接官の印象に残らない➡20の私リストをもう一度見て、オリジナルな出来事がなかったか探してみる
【社会の出来事に関すること⇒2つ】
⑫環境問題についてどのように考えていますか
※OKのポイント
・ありがちな話題ではあるが、自分でしていることの具体的な事例が述べられている点が良い
※NGのポイント
・身近な話題は良いが、説明不足。結論+理由(説明)はできているが、せめて20秒は話す内容で答える。
・ちなみに、本の交換はリユース。
リサイクルは、製品を粉砕したり溶解したり分解したりして、原材料化して再資源とすることを言うので、「そのままの形でもう一度」使うわけではない。
それに対してリユースは、製品や部品を解体したり分解したりせず、そのままもう一度使うことを指す。
その辺を説明すると良い
⑬海外のニュースで気になることはありますか
※OKのポイント
・コロナに関する意外なアプローチ
・コロナで被害にあった人への配慮の言葉がある
・正しい敬語の遣い方ができている
※NGのポイント
・結論+理由のスタイルでディズニーランドも良いところではあるが・・・、入学試験なので、やはり環境問題や社会問題を取り上げた方が良い
・っていうのは→理由は・・・または、なぜならば・・・に換える
【本・言葉・人に関すること⇒3つ】
⑭最近読んだ本は何ですか
※OKのポイント
・小学生らしい選択
・映画化されているので、聞く側もイメージしやすい
・本から学んだことが書かれている
*作者(=ロアルド・ダール)は誰ですか?と、聞かれることもあるので、答えられるようにしておく。
※NGのポイント
・この本に対する、情熱は伝わる。素晴らしいアニメもたくさんあるが、入学試験なので、漫画・アニメ・雑誌は避けた方が良い
・ダラダラと話している印象
・この本から自分が何を得たのか、どんなことを学んだのかを伝えていない
⑮あなたの好きな言葉はありますか
※OKのポイント
・面接官によって、評価が分かれるところではあるが、敢えて、このように自分がある人の言葉で励まされたというエピソードも効果的と考える
・前向きな姿勢が感じられる
※NGのポイント
・ことわざ自体の選び方は良いが、理由がマイナスのエピソードになっている
⑯尊敬する人は誰ですか
※OKのポイント
・尊敬する人を、一番身近な人にすることはNGではないが、面接官によっては、加点にもならないこともある
・家族を話題にするのであれば、共有する価値観や実体験を書くと良い
※NGのポイント
・ありがちな例です。簡単に尊敬する人になりたいという人が意外と多いです
しかし、そんなに簡単にメジャーリーガーにはなれません。大谷選手がメジャーリーガーになるためにしてきた目標設定の方法を調べてあげてください。
それを真似て、「少しでも大谷選手近づけるように努力したい」と締めくくると良いです。
【人間性に関すること⇒2つ】
人としての考え方、子供の価値観を問う質問です
⑰クラスの友人と仲良くするためにはどのようにすればよいと考えますか
※OKのポイント
・結論が具体的
・結論+説明ができている
・「友人の話も聞く」という一文があることで、この回答の評価が上がった
(コミュニケーションは話すだけではない。聞くことも重要)
※NGのポイント
・自己中心的なイメージ
・小学校低学年の考え方
・中学生として、自己理解、他者理解ができるような人物が求められている
⑱思いやりや優しさについてどう考えていますか
※OKのポイント
・自分なりの価値観が表現されている
・人間関係のキーワードも良い
※NGのポイント
・説明不足
・簡単そうで、実は難しい質問
・親であるあなただったら、どう答えるかを子供に伝えてみてください
【その他⇒2つ】
⑲筆記試験はどうでしたか
※OKのポイント
・模範的回答
・この質問で面接官は何を聞きたいかというと、それは、熱意。結果はともかく、今持てる力は全部出して頑張った。入学したい!という熱意を伝える事が重要!
・ただし、この表現は何人も同じような言い方をする可能性が高い。
前の人と同じ表現でも気にせず、堂々と話すことが大事!
※NGのポイント
・「えっと~」「あの~」は厳禁
・後悔➡頑張りたいという安易な前向き表現は、逆効果。軽い感じの印象を与える
⑳受験が終わったら何をしたいですか
※OKのポイント
・よく「小学校の復習をしておきます」という回答を聞くが、本音ではないはず(笑)
・家族へのお礼というのは、面接官も人の親なので高評価を得られる
※NGのポイント
・本音が出てしまった回答。気持ちはわかるが、入学試験ではNG
・「合格したら、友人と遊びたい気持ちはありますが、まだ受験中の人もいるので、家で静かに過ごしたいと思います」と言えば、OK!
*評価のポイントは個人の見解です。当然のことながら、面接官によって評価が変わることをご理解願います。
第3章:合格するための5つのポイント
子供のイメージ=志望校が求める生徒像にする
巻頭特集でも、述べたように、「面接は、自分の学校に入学させたい生徒を見極めるために行われる」ものですから、自分の子供が、志望校が求める生徒像と合っていると、面接官に印象付けことができれば、面接対策は、完璧です。^^
すなわち、この章では、子供のイメージを、志望校が求める生徒像に作り上げていくことが目的に進めていきます。
(*志望校が求める生徒像については、第1章の②を参照)
①面接官を惹きつける笑顔
◆笑顔の効果◆
「笑顔には、その人の魅力を増大させる効果がある。」
と、早稲田大学の人間科学部の宮崎正巳教授は、下記の様に述べています。
『コミュニケーション能力の定義は様々である が、他者と協調的な関係を築く上で「相手に好印象を与える」ことは重要といえる。
*引用:会話場面における笑顔表出の変化と印象形成の関係性分析「日本顔学会誌十四巻一号より」
印象の形成過程では言語・非言語を問わず多くの情報が用いられ、その中でも「顔情報」は他の情報よりも顕著 かつ利用可能性が高いと考えられている[2]。
特に、幸福感情を示す表情である「笑顔」は表出者に対する魅力評価を高める効果が知られており [3]、コミュニケーションへの応用が期待できる。』
面接でも同じです。
表情が与える印象は大きく、さわやかな笑顔は、あなたの子供の印象をアップさせる重要なポイントになります。
想像してみてください。もし、あなたの子供が、無表情で面接を受けていたら、どうでしょうか。
緊張していることを差し引いても、面接官には、自信がない、やる気がない印象を与えてしまうでしょう。
適切なタイミングで、明るい笑顔で対応していたら、面接官の印象はかなりアップするはずです。
ここで、笑顔に関する重要な注意点を言います。
➀笑顔のタイミング
・自分が、質問に答える時
・面接が終わって、「ありがとうございました」と言う時(👆自分のことを話す時に、笑顔で話すことで、積極的で、自信にあふれた印象を与えます)
②真剣な表情をする時
・自分以外の受験生が話している時
・面接官が、自分に質問している時(👆他の人の話を、真剣に聴く姿勢が大事です)
③あごの高さが重要
・話す時には、あごを上げたり、下げたりしないように注意します。
なぜなら、あごが上がると、目線が下向きになり、面接官に横柄な印象を与えます。逆に、目線が上向きで、下から覗き込むようにすると、媚びているような印象になります。
では、実際に、さわやかな笑顔ができているかどうかチェックしてみましょう。
◆自然な笑顔を身につける◆
*準備するもの:マスク・割りばし
➀親子で、鏡に向かって並び、普段笑っているように笑ってみてください。
いかがですか?お互い、相手の顔は、笑っているように見えますか?
②マスクをした状態で、顔が笑っているかどうかをチェック。
「目は口ほどにものをいう」 ことわざの通り、目の表情も大切です。
真剣になりすぎて目の印象がキツく見える場合には、目を少し細めるようにして、目の緊張を緩めてください。
③ ②で、笑って見えるようになったら、マスクを外し、口角(*口角=唇の両端)を上げます。
この時に、歯は見せないようにします。
この時に、口角が上手に上がらない場合には、割りばしを使って練習します。
割りばしを、真横にくわえます。その時に、前歯で噛むのではなく、口角で噛むようにします(*口は閉じなくて良い)
この状態で、10秒キープしてください。
キープし終わったら、割りばしを外して、口を閉じてください。
(注意:割りばしを外す際に、口や唇に木片が刺さらないように、十分に気を付けてください)
こうすることで、口角がしっかりと上がるようになります。
もし、口元や頬が、ピクピクする場合には、朝晩の歯磨きの終わりに、キープする練習をすると、顔の表情筋を鍛えられて、震えないようになります。
いかががですか?口を閉じていても、微笑んでいるように見えますか。
歯磨きするたびに、何度も行って、自然な笑顔を身につけてください。
②明るくさわやか印象の髪形・服装・持ち物
本書の巻頭特集でも、お伝えしたように、面接官は、入室時の身だしなみを良く見ています。
特に髪形や服装は、視覚へ訴える情報量が多いため、身だしなみが整っていないと、面接官にマイナスの印象を与えてしまうので、十分に準備をしましょう。
この項の最後に、身だしなみチェックシートを載せましたので模擬面接の前や本番一週間前と前日にはかならずチェックしてください。
◆髪型◆
髪形は清潔第一であることは、言うまでもありません。その他のポイントは以下の通りです。
➀男女共通の髪形のポイント
前髪は、極端に短くする必要はありませんが、眉より長くならないようにして下さい。
また、当日は、寝癖がついていないか、きちんと整髪してください。
雨風が強い日には、行くまでの間に髪形が乱れてしまうこともありますので、事前に、自分で髪を整えることができるように、練習してください。
②女子生徒の髪形のポイント
顔に髪がかからないお辞儀をした時に、顔に髪がかからないようにしてください。
どうしても顔に掛かってしまう時には、耳の後ろをピンで留めてください。
なお、ピンや髪留めは、色が目立たないダークカラーにして下さい。
*髪が長い女子の場合は、みつあみ・ハーフアップ・一つ縛りのいづれかにしましょう。
③男子生徒の髪形のポイント
男子生徒は、清潔感が何より重要です。散髪の時期は、直前ではなく、顔なじみする1週間前が良いでしょう。
その際に、もみあげ・襟足は、短めにカットしてください。
当日の注意点は、寝癖を直すことはもちろんですが、気合を入れ過ぎて、トップをツンツンと立てるような整髪は、NGです。
◆服装◆
服装は、視覚情報が多い分、服装によって与える印象が変わってきます。
特に面接では、第一印象が重要ですので、小学生らしい明るくさわやかな印象になるような服装を選びます。
したがって、服装は男女ともに、シンプルなスタイルが良いでしょう。
また、受験は、概ね冬に行われることが多いので、体温調整のできる重ね着スタイルをお勧めします。
服装に含まれるのは、インナー・トップス・ジャケット・ボトムス・靴下・靴・カバンです。
・インナー:ボタンダウンシャツ、ポロシャツ、女子は、ブラウスでもOKです。色は、白・クリーム・ブルー系。
・トップス:ベストまたはセーター、カーディガン。色は、黒・紺・グレー。開きは、脱ぎ着しやすいVネックをお勧めします。女子のカーディガンは、クルーネックでもOkです。
*よくある質問:「ネクタイ・リボンはした方がよいですか?」
結論は、してもしなくても、どちらでも良いです。
むしろ、ネクタイが曲がっていたり、リボンがズレてしまう方が、NGです。
・ジャケット:私の面接塾では、特にジャケット着用をお勧めしていません。小学校の制服でジャケット着用が慣れている子供さんを除いては、無理にジャケットを着る必要はないと考えています。
ただし、校風上、ジャケット着用が望ましい学校(有名私立中学校など)は、その限りではありません。
・ボトムス:男子は、シンプルなスラックス。色は、黒・紺・グレー。小学校6年生の男子は、この時期成長が早いので、ズボン丈がくるぶしより短くないか、気を付けて見てください。
手持ちのスラックスが、足首が見える場合には、もったいないと思うかもしれませんが、新調することをお勧めします。
*よくある質問:「チノパンはダメですか?」結論は、ギリギリOKです。
ただし、夏用で薄い生地のものや、使用回数が多くて膝がでているもの・擦り切れているもの・汚れが目立つものはNGです。
女子は、ひざ丈のシンプルなスカートが良いです。
丈が短くて、おじぎをした時にアンダーパンツが見えるもの、逆に長すぎるものはやめましょう。
プリーツスカートの場合には、シワになりにくい素材を選んでください。
色は、黒・紺・グレー・ベージュ。大人しい色のチェック柄・ストライプは、OKです。
・靴下:白(ライン入りでも良いですが、ない方がベストです)のソックス、クルーソックスが良いです。くるぶしが出るアンクレットソックスはNG。
女子は、白や紺のハイソックスでも良いですが、オーバニーは、避けてください。
注意:靴下は必ずスペアを用意してください。特に、当日雨の場合には、泥がはねて、靴下の後ろが汚れてしまうことがあります。
・靴:外靴と上履きを用意してください。(*ただし、その年ごとに入校の案内が変ることもありますので、必ず入試案内で確認してください)
外靴は、黒・茶色のローファーをお勧めしますが、汚れが少ないスニーカーであれば、お手持ちの黒系・白系のスニーカーでもOKです。
上履きは、黒・白のスニーカーまたは、小学校で使っている上履きでOKです。スニーカーの場合は、派手なラインなどが入っていない無地に近いものを選んでください。
普段使っている上履きの場合には、洗っても汚れがひどいもの、踵に踏み癖(*いつも履く時に、踵を踏んで履いているため、踵が潰れたり、シワが付いてしまっているもの)がついている場合には、新調することをお勧めします。
・カバン:カバンは、普段使っているものでも良いのですが、赤やピンク、黄色などの目立つ色やキャラクター模様は、控えた方が良いでしょう。
もし、新調するのであれば、中学校に入って使えるものを買いましょう。志望校に通っている知り合いなどに聞いてみましょう。
ただし、取り間違い防止のために、必ずカバンには目印になるようなキーホルダーやネームタグを忘れずにつけてください。皆さん、黒や紺のリュックが多いので。
◆小学校の制服を着る場合の注意点◆
普段着用している小学校の制服で面接を受けることも可能ですが、その際の注意点を3つお伝えします。
➀制服の汚れ:制服一式を冬休み期間中に、必ずクリーニングに出してください。
特に、袖口は目立ちます。もし、ジャケットにほつれや破れがある場合には、専門のリフォーム業者さんに相談して、少しでもほつれや破れが目立たなくなるように頼んでみましょう。
②ズボンの裾丈:6年生の終わりごろに制服を買い替える必要はありませんが、この時期の男子は、成長が早いので、ズボン丈がくるぶしより短くないか、注意して見てください。
もし、制服のスラックスが、足首が見えてしまう場合には、裾をできるだけ丈を長くするように直してください。
業者さんでも良いですし、裾をほどいて、黒の裾上げテープで留めても良いです。ただし、くれぐれも裾がほつれてこないように、十分に気を付けてください。
③全体的に使用感がある場合:一度、志望校の入試課に、制服以外でも大丈夫か、直接確認してみてください。特に着用の指示がなければ、上記に書いた服装で良いです。
また、入試案内に、「小学校の制服がある生徒は、それを着用のこと」などの趣旨の記載がある場合には、その限りではありません。
③面接にふさわしい言葉遣い・話し方
◆面接にふさわしい言葉遣い◆
面接は、面接官に自分の良さをアピールし、入学を許可するにふさわしい生徒であると認めてもらう大切な機会です。
したがって、友達言葉や普段の話し方は通用しません。
特に、日本語は敬語が発達しているので、使い方ひとつで面接官に与える印象も違ってきます。
この機会に、言葉のマナーを身につけましょう。
ただし、あまり敬語を流暢にこなすのは、芝居のような印象に感じられることもありますので、小学生に合った言葉遣いをマスターし、正しい言葉遣いで、入学への熱意を伝えます。
また、以下の言葉にも気を付けて話してください。
*正しい表現は、敬語の説明の後に一覧表にしてあります。
間違って使うと、面接官に不快感を与えかねないので、言葉のマナーをしっかりと身につけるためにも、必ず正しい表現を覚えてください。
また、【言葉遣い確認用テスト】を用意しましたので、こちらも必ず行ってください。
【会話の時だけに使う言葉】
「やっぱ」「そんな」「だけど」「っていうのは」「こないだ」「すごい」「なにげに」など
【短縮言葉】
「部活」「学活」「スマホ」「家教」「学祭」「学割」「自己チュー」など
【若者言葉】
「普通に~」「ってゆーか」「わたし的には~」「一応~」「めちゃ」「なんか~」など
【人の呼び方】
「自分・俺・あたし」「お父さん・お母さん」「おじいさん・おばあさん」「校長」「担任」など
①敬語の4種類
尊敬語 | 相手が目上の人や立場が上の人に対して使う。相手の動作・状態に尊敬の気持ちを表す |
謙譲語 | 自分や身内のことを言う時に使う。自分の動作や状態をへり下る事により、相手に尊敬の気持ちを表す |
丁寧語 | 言葉を丁寧にする事により、相手に尊敬の気持ちを表す *文章の最後に「です」「ます」を付ける |
美化語 | 言葉を美しくしたり、上品にしたりする表現。単語の前に「お」「ご」をつける *カタカナには付けない |
②敬語の変換
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
いる | いらっしゃる | おる | います |
する | なさる | いたす | します |
言う | おっしゃる | 申す | 言います |
行く | いらっしゃる | 伺う お伺いいたします | 伺います・参ります |
聞く | お聞きになる | 伺う お伺いいたします | 伺います・承ります |
食べる | 召し上がる | いただく | 食べます |
飲む | お飲みになる | いただく | 飲みます |
③感じの良い言葉遣いのコツ
《クッション言葉》
「申し訳ございませんが・・・」
「恐れ入りますが・・・」
「お手数ではございますが・・・」
「失礼ですが・・・」
《肯定的否定形》
「いたしかねます」
「できかねます」
《疑問依頼形》
「~していただけますか」
「~していただけませんでしょうか」
【よく使う敬語表現】
普段の表現 | 敬語表現 |
わたしのお父さんは、サラリーマンをしています。 | わたしの父は、会社員です。 |
先生の都合を聞いてから行きます。 | 先生のご都合を伺ってから参ります。 |
校長に、そう言いました。 | 校長先生に、そう申し上げました。 |
担任が来た。 | 担任の先生がいらっしゃいました。 |
わたしが、持っていきます。 | わたしがお持ちいたします。 |
火曜日に、先生からもらいました。 | 火曜日に、先生からいただきました。 |
小学校の先生が、言ってました。 | 小学校の先生が、おっしゃっていました。 |
早めに行きます。 | 早めに伺います。 早めに参ります。 |
【普段使いの言葉】
普段使いの言葉 | 正しい表現 |
やっぱ やっぱり | やはり |
そんな | そのような |
だけど | ですが |
っていうのは | というのは |
こないだ | このあいだ 先日 |
すごい すっごい すげー | たいへん 非常に |
なにげに | 何気なく |
ちゃんと | きちんと はっきりと |
一発で | 一度で |
いろんな | いろいろな |
~じゃなくて | ~ではなくて |
【短縮言葉】
短縮言葉 | 正しい表現 |
部活 | 部活動 |
学活 | 学級活動 |
スマホ ケータイ | スマートフォン 携帯電話 |
家教 | 家庭教師 |
学祭 | 学園祭 |
学割 | 学生割引 |
自己チュー | 自己中心的 |
ノンレス | レスポンス(返信)がない |
【若者言葉】
若者言葉 | 正しい表現 |
普通に、部活やりたいです | (普通は入れない)部活動をやりたいです |
ってゆーか、先生に進められたから | (ってゆーかは入れない)先生に進められたからです |
わたし的には、気に入っています | わたしは、気に入っています |
一応、陸上部に入っています | (一応は入れない)陸上部に入っています |
受かったら、めちゃうれしいです | 受かったら、たいへんうれしいです |
○○な人:あたしって、几帳面な人なんで・・ | わたしは、几帳面です |
なんか~、受けてみようかなと・・・ | (なんかは入れない)受けてみようと・・・ |
っていうのは、ちがくて・・・ | というのとは、違って・・・ |
【人の呼び方】
普段使いの言葉 | 正しい表現 |
自分・俺・あたし | わたし |
お父さん・お母さん パパ・ママ | 父・母 |
お兄さん・お姉さん | 兄・姉 |
おじいちゃん・おばあちゃん | 祖父・祖母 |
校長 | 校長先生 |
担任 | 担任の先生 |
親 | 父・母、両親など具体的に |
【言葉遣い確認用テスト】解答例
No. | 普段使いの言葉 | 面接にふさわしい表現 |
1 | 俺・あたし | わたし |
2 | 先生の話 | 先生のお話 |
3 | 年取ってる人 | お年寄り お年を召した方 |
4 | 男の人 女の人 | 男性 女性 |
5 | 面接官が言ってました | 面接官がおっしゃっていました |
6 | 担任 | 担任の先生 |
7 | 校長が来ました | 校長先生がいらっしゃいました |
8 | お母さん | 母 |
9 | お父さん | 父 |
10 | おじいちゃん | 祖父 |
11 | おばあちゃん | 祖母 |
12 | 生徒会長をやってました | 生徒会長をしていました |
13 | 親としゃべりました | 両親(or父・母)と話しました |
14 | 校長が見ていました | 校長先生がご覧になっていました |
15 | ケータイ | 携帯電話 |
16 | 部活は、卓球です | 部活動は、卓球部です |
17 | 先生からいろんな話を聞きました | 先生から色々なお話を伺いました |
18 | やっぱ、ムリだと思う | やはり、難しいと思います |
19 | ○○だけど・・・ | ○○ですが… |
20 | マジで、勉強しました | 必死に(本気で)、勉強しました |
21 | 先生は、さっき出ていきました | 先生は、先ほど出て行かれました |
22 | もう一度、言ってください | 恐れ入りますが(申し訳ありませんが)もう一度、おっしゃっていただけませんか |
23 | 一応バスケットをやりたいです | バスケットをしたいです |
24 | すみません | 申し訳ございません 申し訳ありません |
25 | めちゃがんばりました | とても頑張りました 本気でがんばりました |
◆面接にふさわしい話し方◆
面接では、質問に対する自分の思いや考えを話す際に、その言葉が、面接官に、ちゃんと伝わっていなければ意味がありません。
「声が小さくて、何を話してるのかわからない」「早口で、聞き取れない」のでは、評価のしようがありません。
前項で述べた、正しい言葉遣いをすることは、もちろんですが、下記の点にも注意しましょう。
➀ムダな口癖を言わない
話の初めに、「えー」「あのー」と、言うと、自信がなく、幼稚な印象を与えてしまいます。
それが口癖になっているの子供の場合には、日頃の会話でも言っているので、家庭でも注意してください。
②声の調子:声の大きさ・声の高さ・話すスピードを調整する
声の大きさ:面接では、特に声の大きさは、重要です。空間(部屋の広さ)に合わせて、調節して話しましょう。
そして、声は小さくて面接官に聞こえないのが、一番困ります。
家で練習する時には12畳程度の両端に立って、相手に聞こえるように大きな声で話しましょう。
逆に、体育系のクラブに入っている子供は、声を張り上げる傾向の子供もいます。
大きければ良いというものではありませんので、声を張り上げるのではなく、しっかりと伝えるという気持ちで話すようにして下さい。
③声の高さ:普段話す時よりも、少し高めの音で話すと、明るい印象を与えます。
ただ、キンキンと高い声、ボソボソと低い声はNGです。あなたの子供の声質を知るためには、話し声を録音して、親子で聞いてみてください。
どの声の高さが良いか、子供自身が自分で知ることが大切です。
④話すスピード:早口で話すと、「落ち着きがない」という印象を与えてしまいます。
大切なところはゆっくりと、そうでないところは、すこし早めに話すなど話すスピードにメリハリをつけると良いでしょう。
④熱意が伝わる態度
本書の巻頭特集「面接の目的」でも述べたように、面接は、
➀自分の学校に入学させたい生徒の選別
②調査書や適性検査では見えない子供の熱意や真の姿を見極める
このために行われるわけですから、あなたに子供が、その学校に入りたいという気持ちを、ピンと背筋が伸びた礼儀正しい姿勢やきちんと揃えた指先で、入学の熱意を面接官に感じてもらうことが大切です。
◆熱意が伝わる3つのポイント◆
➀正しい姿勢(立位・座位)
姿勢は、その漢字の通り「姿(すがた)」の「勢い」ですから、姿勢からその人の外見だけでなく、内面も判断される要素です。
例えば、「猫背気味」の生徒は、本人の気持ちとは関係なく「元気がない」「やる気がない」など消極的な印象を与えてしまうことがあります。
特に、中高一貫校の面接は、5人1組の集団面接ですから、5人が一斉に横並びになると、姿勢の良し悪しが目立ってしまうので、正しい姿勢を身につけましょう。
【姿勢チェックシート 立位】
・足元に障害物のない壁際に立ちます。
項目 | ✔ |
左右の肩の高さは、床と水平になっているか | |
顔は正面を向いていて、顔が左右どちらかに傾いていないか | |
猫背になっていないか | |
顔だけ前に出ていないか | |
膝は、しっかり伸びているか | |
指先は伸びて、スラックスやスカートの脇線に沿っているか | |
足は、足先は、両方とも正面を向いているか(かかとはつける) | |
横から見た時のライン(耳~肩~腰~膝~かかと)が一直線になっているか | |
口角が上がった自然な笑顔になっているか |
【姿勢チェックシート 座位】
・椅子を1脚用意して、椅子の左側に立ち、静かに座ります。
項目 | ✔ |
顔は、正面を向いているか | |
背筋が伸びているか | |
背中は、背もたれにつけない | |
手は、ひざの上にあり、指先は伸びているか *男子の場合には、両手を軽く握っても良い | |
かかとは、膝頭から垂直に下ろした位置にあるか |
②好印象の歩き方
入退室時には、歩き方にも気を付けましょう。
歩き方の基本的動作は、正しい立姿勢のまま、足を交互に出して、移動するイメージです。
しかし、毎日している動作ですが、実際に行ってみると、上手に歩けない人が多いです。
では、歩き方の印象について説明します。
例えば、横断歩道の前に、人が立っていて、歩き出しました。
イメージしたAさんとBさんの歩き方の印象は、どうでしょうか。
Aさんの印象:
Bさんの印象:
面接で歩く距離はそれほど長くはありませんが、面接官には、↑のような印象を与えますので、日頃から気を付けて歩きましょう。
【歩き方チェックシート】
・部屋の中ではなく、廊下など、全身を少し離れた位置から見える場所で、歩く姿を撮影してください。
*注意:靴は面接用の室内靴(靴下着用)を履いて行ってください。
項目 | ✔ |
顔は、進行方向を見ているか 下を向いていないか | |
上半身が左右に揺れていないか | |
膝が曲がっていないか | |
手は、ひじを伸ばして、前後に自然に振っているか | |
猫背になっていないか | |
口角が上がった自然な笑顔になっているか |
《お願い》
*子供の歩く姿を、録画して、親子で必ず確認してください。録画の際は、 正面だけではなく、横からの姿も撮ってくださいね。
*歩き方は、急には治りません。姿勢を意識して毎日行ってください。
③入退室のマナー
中高一貫校の面接は、集団面接が多いのですが、ここでは、1人の場合の入退室のマナーについて説明します。
一連の流れ:
①入室➡②入室の挨拶➡③椅子の横で名乗る➡④席に座る➡⑤質問に答える➡⑥席を立つ➡⑦お礼の挨拶➡⑧退室の挨拶➡⑨退室
さらっと言うとこのような感じです。
①入室➡②入室の挨拶:
ノックを3回(*2回はトイレ)して、両手で静かにドアを開ける➡部屋に入ったら、静かにドアを閉める➡入り口で「失礼します」と言い、面接官に向かって、敬礼の分離礼をする。
③椅子の横で名乗る➡④席に座る:
椅子の左側に立ち、面接官の指示に従って、受験番号や名前・出身小学校を告げ、最後に「よろしくお願いします」と言って、最敬礼の分離礼をする。
椅子に座るタイミングは、面接官から「どうぞお掛けください」などの指示があるまで待つ。(*勝手に座らないように!)
*注意:椅子の立ち位置ですが、もし前の人が椅子の右側に立ってしまったっ場合には、ムリに左側に立たなくても良いです。
椅子の間隔が狭いと身体がぶつかってしまいうので、前の人に合わせて立つようにして下さい。
⑤質問に答える:
質問に答える前には、「はい。私は~」というように、質問した面接官に向かって「はい」と返事をしてから答える。
また、他の人が話している時にも、下を向いたりせず、顔は面接官の方を見て(*この時、視線を少し落としても良い)、発言の順番を静かに待つ。
⑥席を立つ➡⑦お礼の挨拶:
面接官から「以上で面接は終了です」などの終了の言葉を聞いたら、静かに席を立つ。
椅子の左側に立ち(*隣の人の立ち位置を見て、場合によっては、右側に立つこともある)、笑顔で「ありがとうございました」と、お礼の挨拶最敬礼の(分離礼)をする。
その時にはお礼を伝えるので、ゆっくりと行う。
⑧退室の挨拶➡⑨退室:
ドアの前に進んだら、面接官の方に向きを変えて、「失礼します」と言う。
この時の敬礼の分離礼をする。ドアを静かに開け、部屋を出たら、また面接官の方を向き、目礼(おじぎはしないで、目を伏せた状態)をしながら、両手で静かにドアを閉める。
以上が入退室のマナーですが、面接は、常に見られていることを忘れないでください。
面接は、複数の面接官で行われ、それぞれの役割分担しています。
A先生は、質問者と進行役、B先生は、質問の回答のチェック役、C先生は、身だしなみ、しぐさや態度、目線、姿勢などのチェックをしています。
話すことばかりに気を取られていると、指先がゴチョゴチョ動いたり、視線がキョロキョロしたりと、日頃の癖が出てしまいます。家庭でも、しっかりとチェックしてください。
また、面接か終わったからと言って、部屋を出た後に、大きな声で話したり、だらしない態度を取らないようにしてください。
試験は、学校を出て、家に着くまでは終わっていません。
⑤好感度を上げる挨拶
◆挨拶とは◆
挨拶は、人と人が関わる時の最初のマナー。コミュニケーションの基本です。
相手の存在を認めて、大切に思う気持ちが、挨拶に伝わり、円滑な人間関係を築くことができるのです。
また、学校でも明るく元気な挨拶ができるかどうかで、友人関係に影響を及ぼすことがありますので、普段から正しい挨拶ができるよう、家庭でも気を付けて見てあげてください。
面接においても、挨拶が面接官に与える影響は大きいです。
挨拶の印象が良いと、その後のコミュニケーションがスムーズの行われますので、この項をよく読んで、好感度を上げる挨拶をしっかりと身につけてください。
注意点:挨拶は必ず、心を込めて行うことが大切です。気持ちがこもっていない言葉だけの挨拶は、慇懃無礼(いんぎんぶれい)と言って、かえって相手に対して、失礼な行為になりますので、十分に注意しましょう。
◆基本の挨拶◆
挨拶には、分離礼と同時礼がありますが、面接では、言葉とおじぎを別々に行う分離礼を使います。
分離礼は、先に言葉を言ってからおじぎをするので、相手に丁寧な印象を与えることができて、面接に適した挨拶です。(*同時礼については、説明を省きます)
また、挨拶には、会釈・敬礼(普通礼ともいう)・最敬礼の3つの種類があり、使う場面や状況によって、使い分けが必要です。
それでは、好感度を上げる正しい挨拶の仕方=分離礼のポイント・3種類のおじぎについて説明します。
◆分離礼のポイント◆
◆敬礼で説明します。①➡⑤の順番で行ってください。
➀背筋をしっかりと伸ばした正しい姿勢で、面接官の方を向く
②口角を上げてにこやかな笑顔で面接官に視線を合わせる(注意:歯は見せない)
③先に、言葉=「失礼します」を言う
④その後におじぎをする
■腰から状態を倒す。この時、頭~腰まで一直線になるようにする。
*この時に、背中が丸くなったり、首だけ下げないように注意してください。
■角度が、30度のところでいったん止める。
■一呼吸おいてから、ゆっくりと状態を元に戻す
⑤面接官の顔を、再度にこやかに面接官に視線を合わせる。
◆3種類のおじぎ◆
お辞儀には会釈、敬礼、最敬礼の3種類があります。
それぞれの場面に応じて角度が変わります。
◯15度のお辞儀:会釈
軽いお辞儀です。上体を15度傾けます。
部屋の入退室や廊下でのすれ違いざまの挨拶、お茶を出す時に使います。
◯30度のお辞儀:敬礼
一般的な挨拶です。上体を30度傾けます。
お客様を出迎える時や、目上の人への挨拶に使います。
◯45度のお辞儀:最敬礼
最も丁寧なお辞儀です。上体を45度傾けます。
お詫びや無理なお願い事、丁寧にお礼を述べる時に使います。
◆親子で挨拶をしよう◆
さあ、挨拶のポイントを学んでいただいたところで、実際に挨拶のロールプレイをしてみましょう。
では、その方法を説明します。
【パターン1】子供1人で行う
親は、笑顔・姿勢(猫背・首だけのおじぎ)・視線合わせのチェックをしてください
➀ 壁に背を向けて立ち、姿勢を正す。 壁に頭~肩~腰~ふくらはぎ~かかとを付ける。
表情はにこやかな笑顔を忘れずに。(注意:歯は見せない)
② ➀の状態を維持したまま、大きく一歩前に出る。
③ ②の状態で、今度は「よろしくお願いします」と明るく大きい声で言い、その後におじぎをする。この時は、45度の最敬礼で。
④ 元の姿勢に戻す。
この時も表情はにこやかな笑顔を忘れずに。(注意:歯は見せない)
【パターン2】「パターン1」を親子で向き合って行ってみましょう。
それぞれが行ってみて、良いところ・直すところをアドバイスしてください。
以上で、面接に必要な内容は、すべてクリア! 次は、いよいよ模擬面接です。 面接対策制覇まで、もう少しです。 がんばりましょう!
第4章:親子で実践する模擬面接
①模擬面接の前に
◆緊張やアガリ癖を和らげる5つの方法◆
ここまで、面接対策に必要な内容を理解していただけたと思いますが、実際に面接を受けるとなると、誰でも緊張したり不安になったりするものです。
面接塾をしていると、必ず「面接でアガらない方法は、ありませんか」と聞かれます。
実際に私が、自分の子供に試して、成功した方法があるので、あなただけにちょっと、その方法をお伝えしますね。
*緊張したり、アガったりしない子供さんの場合には、飛ばしてくださって結構です。
その前に・・・
➀はじめに、親であるあなたが緊張したりアガッたりした経験を、失敗談でも良いので、あなたの子供に話します。
②次に、その時にどんな結果になったのか、またその後は、どのように対処したのかを話します。
③そして、あなたの子供に、これまで緊張したりアガッたりしたことがあるか聞いてみてください。
④最後に、親子で「緊張やアガル状態は、なぜ起こるのか」を、一緒に話し合ってください。
いかがですか?どんな話が出ましたか?
結論:人生で一度も緊張でドキドキして、声が震えて、どうしてよいかわからなくなってしまった経験は、誰にでもあるものです。要は、誰でもアガルんです。
そのことを、親子で共有できれば良いのです。
「なんだ、答えになってないじゃないか!」と、お叱りを受けるかもしれませんが、ココが大事!
実際に、私も自分の娘に中学校時代の失敗談を話しました。
二人で大笑いしました。
話しを戻します。
ここからが肝心!
5つの具体的な方法をご紹介します。
➀アロマを使う方法:
香りは脳に直結して働くので、好きな香りを嗅ぐと一瞬で緊張がほぐれることがあります。
面接塾では、オリジナルのアロマオイルを用意しているのですが、特別な香りでなくても良いです。
ご家庭にある香りで、あなたの子供が良いなと感じた香でも大丈夫です。
その香りを、受検本番前の一か月くらい前から、嗅ぎます。例えば寝る前でも良いですしリビングでリラックスしている時でも良いので、嗅いでみて、その香りで身体がリラックスしている状態を子供に認識させてください。
そして・・・本番当日、その香りをハンカチに一滴かけてポケットに入れておき、控室や本番直前にそっと嗅ぎ、大きく深呼吸します。
娘で実証済みですので、お勧めします。
(注意:香りの量は必ず少量にして下さい。会場でその香りが広がってしまうと、香害になってしまいますので、くれぐれもご注意願います。)
②何かを握る方法:
人は、緊張したりアガり始めると、気持ちが落ち着かなくなり、手が動き始めます。そんな時にはなんでも良いので握りましょう。
ハンカチやお守り、小さなパワーストーンなども良いでしょう。 要は、何かを握ることで、手のツボに刺激を与えて、気持ちを落ち着かせるのです。
あなたの子供に効果があるか、模擬面接の時に試してみてくださいね。
ただし、ポケットからはみ出すサイズや音が鳴るものはNGですので、注意しましょう。
③子供が大好きな曲の歌詞を読む:
音楽が、人の気分を高めたり落ち着かせたりする効果があることは、心理学でも認められているそうですが、自分の好きなアーティストの曲を本番前に聞くアスリートの姿をテレビで見たことがあると思います。
中学受検では、音楽を聴くことはできませんが、その代わりに曲の歌詞を読んで、気持ちを落ち着かせたり、勇気づけたりすることもできます。
アガり癖のある子供には、不安を解消させるように、「がんばる自分を応援する」パワーをもらえるような曲もお勧めです。
子供と一緒に、曲を選んでみるのも良いですね!
④肩や首を回す:
緊張している時は体が硬くなっている時が多いですよね。
面接試験は、適性検査・作文の後に行われることが多いので、小学生と言えども、肩や首が硬くなってしまう子供もいます。
また、面接の順番待ちでさらに待ち時間が長くなることもありますので、肩や首を回して、血行を良くすることも緊張を和らげるのには、有効です。
ただし、あまり大きな動きをすると目立ってしまうので、トイレに行った時などにすると良いでしょう。
⑤大好きな人や動物の写真を見る:
カリフォルニア大学で行ったある実験で、好きな人の写真と大嫌いなヘビの写真を見せて、同じ痛みを与えたところ、好きな人の写真を見たときは、痛みが軽減し、逆に大嫌いなヘビを見た時には、痛みが増したという実験報告があるそうです。
これは脳の部位のうちストレス反応の原因となる「前帯状皮質」の働きが抑制されるためだそうです。
あなたの子供が好きなアーティストや可愛がっているペットでも良いと思いますが、その写真を本番直前に見ることで、笑顔になり、不安な気持ちが抑制される可能性も高いです。
以上が、私が経験から得た方法です。
まずは実際に試してみて、あなたの子供に効果があるものを見つけて、模擬面接を始めてください。
②模擬面接の役割と舞台設定
◆模擬面接の目的◆
模擬面接は、面接に慣れるために、本番に近い環境で行う面接の練習方法です。
どんなにすばらしい回答用原稿を書いて暗記しても、本番で喋れなければ意味がありませんので、模擬面接であっても、メモなどを見ずに行ってください。
また、模擬面接の様子は、毎回ビデオやスマートフォンで撮影しておきましょう。
これは面接を受ける立場、面接官の立ち場の両方に言えることですが、撮影したものを見直してみることで、より客観的に自分を見つめることができます。
例えば、言葉以外の重要な要素である明るい笑顔や正しい姿勢、礼儀正しい挨拶などについて、じっくりと改善点を見つけることができるので、それらに注意して何度も模擬面接を行えば、初回と最終回では、見違えるほど違っているはずです。
その積み重ねが、子供の自信につながります。
それから、学校や塾などで模擬面接を行ってくれるので、「うちは必要ないわ」と、思う方もいると思いますが、私は、ぜひ親子で行っていただきたいと考えています。
その理由は、子供の大変さを、親であるあなたにも経験してほしいからです。
入学試験は通常であれば、15歳で初めて経験することを、他の人より3年も早く自分の子供が挑戦しようと頑張っているのですから、お父さん・お母さんにも、その緊張感やがんばりを共有してほしいのです。
お父さん・お母さん、失敗しても良いです。むしろ、親だからと言って上手くやろうとは、思わないでくださいね。
子供にありのままの姿を見せることも、時には大切です。
◆役割設定と舞台設定◆
役割設定:
A受験生役(1名)
B面接官役(1名~2名)
C撮影係(1名)
◆1回目:
A=あなたの子供
B=あなた
C=その他の家族
◆2回目以降:A、B、Cの役を入れ替えてみる方法も非常の有効です!
メリット1:親もAの受験生役をすることで、子供の気持ちが理解できる!
面接の大変さを共有することで、親子の絆が深まります。
メリット2:受験生が面接官役をすることも、模擬面接では非常に効果的。
それは、自分が面接される側のときには気づかない雰囲気や、「ここを突っ込まれると困る」 「おそらく面接官はこんな心理で、こんな質問をしてくるはず」という部分が分かってくるので、面接官の心理を知ることで気持ちに余裕ができて、本番で自信を持って対応できる可能性が高まります。
面接時間:
約15~20分(通常は5人1組の集団面接ですので、30分程度かかります)
舞台設定:
➀準備物
■ 受験生用椅子
■ 面接官用テーブル、椅子
■ 撮影用機材(スマートフォン・ビデオ共に、声がきちんと拾えているかどうか確認してから撮影を行ってください)
■志望理由書のコピー・評価シート
②設営例
面接官用テーブルと椅子、受験生用椅子を用意します。舞台はリビングでも良いですが、何度かリビングで行った後に緊張感を高めるために、時間貸しの会議室などで行うと、リアリティが増します。
撮影のポイントは、固定ではなく、入室から退室までの流れ全体を映し、質疑応答時には、座位姿勢や顔の表情がわかるようにして下さい。
*注意:必ずテストをしてから撮影してください。
模擬面接の流れ:
A受験生
①入室➡②入室の挨拶➡③椅子の横で名乗る➡④席に座る➡⑤質問に答える➡⑥席を立つ➡⑦お礼の挨拶➡⑧退室の挨拶➡⑨退室
B面接官
①受験生入室➡②椅子まで誘導➡③受験番号などを言うように指示➡④着座を指示し、面接開始の挨拶➡⑤質問を始める➡⑥面接終了を告知➡⑦退出を促す➡⑧受験生を見送る➡⑨受験生退室
面接官のイメージ作り:
面接官の役割は、受験生の選別であることは言うまでもありませんが、相手は小学生ですので、面接官のイメージは、緊張を増幅させるような恐い印象ではなく、リラックスさせて持っている力を出せるような穏やかな印象で行います。
ただし、本番では必ず優しい先生ばかりとは限らないので、1回は、表情や口調も厳しめの先生役を試すのも良い方法です。
質問内容:➀質問は、第2章の超頻出質問20選から選んでも良いですし、慣れてきたらそれ以外の質問でも行ってみてください。
ただし、「志望理由」「長所・短所」「中学生になってから頑張りたいこと」は、出題率が高いので、必ず入れてください。
面接官のセリフ:*下記の模擬面接のシナリオを参照してください。
◆模擬面接の評価方法◆
中高一貫校の面接の評価方法は、点数化する場合もありますが、多くの場合はA~Cの3段階評価や、A~Eの5段階評価の方法がとられます。
面接が修了して、その場で面接官同士が話し合って決めるのではなく、それぞれが自分の判断で評価し、あとで突き合わせをするのが一般的です。
面接で判断されるのは子供の人物評価ですが、それは、かならずしも「してきたこと」や「スポーツなどの入賞・受賞歴」だけで判断されるものではありません。
これまで、何度も言っているように、言葉以外の態度、身だしなみなども総合的に判断されますので、その点についても、きちんと評価してください。
おわりに
生きていく力
保護者の皆さん、ここまでお読みくださいまして、本当にありがとうございます。
面接対策を通して、あなたの子供さんは、どのように変わりましたか?
話す言葉や態度に、自信が感じられるようになったのではありませんか?
話しは変りますが、2019年12月。中国の武漢市で、突如発生した新型コロナウィルス (COVID-19)は、中国全土に感染が広がり、中国以外の国と地域に拡大し、世界中で外出規制や経済活動の停止が広がるなど、前代未聞の事態が続いています。
世界経済は、1930年代の世界恐慌や、「100年に一度の危機」とされた2008年のリーマン・ショック不況より厳しい、史上最悪の「コロナ大恐慌」が始まっているという危機感が広まっています。
これにより、日本国内の企業業績が軒並み悪化し、採用取り消しや採用者人数の削減が行われて、どんどん仕事が淘汰されてきます。
皆さんの子供たちは、これまで経験したことがない厳しい時代を生き抜いていかなければなりません。
「出社したら、会社がなくなっていた」ということも、現に起こっています。
これからは、生きていく力、困難を乗り越えていく力、臨機応変に変容する能力が、ますます求められる時代です。
私が、この本を書いた本当の理由は、あなたの子供がこれからの長い道のりの中で道に迷ったとしても、戻る場所は、自分の中に在る!
生きていく力の源は、自分にしかない!
このことを伝えたかったのです。
私には、この面接対策を通して、親子の絆がさらに強くなった姿が、想像できます。
さあ、これで、面接対策は終了です。本当に、お疲れさまでした。
後は心穏やかに、合格の知らせを待ちましょう。私も、仙台から合格を祈っております。
ご質問やご感想などがございましたら、下記LINEよりご連絡ください。
最後に
今から面接対策なんて・・・・
大丈夫です!まだ間に合います!
習慣化に必要な期間=66日あれば、できます!
もし、それよりも日数がない、自分では効果が出るか不安な方は・・・
LINEよりお問い合わせください。対策を一緒に考えましょう!
著者について
筆者プロフィール
明治 和花(めいじ わか)
- 出身地:福島県いわき市出身
- 居住地:宮城県仙台市在住
- 家族:夫・息子・娘・夫の母・ネコ2匹
大学在学中につくば国際科学博覧会においてPR/接遇業務に従事。卒業後、都内人材派遣会社の教育部にて社員教育に携わる。
いわき市に帰郷し、接遇マナー講座を開講。講演会も含め約800人を指導。結婚ため福島県双葉郡に転居。2人の子供の子育てをしながら夫の会社の人事採用、社員研修を行う。
2011年…東日本大震災により宮城県仙台市に移り、ハローワークにて就職支援・職業相談・ビジネスマナー講座など5年2か月勤務。約25000人と面談。
2017年…個別指導WELL代表。東北初、受験専門の面接塾を開業。