第3章:合格するための5つのポイント
子供のイメージ=志望校が求める生徒像にする
巻頭特集でも、述べたように、「面接は、自分の学校に入学させたい生徒を見極めるために行われる」ものですから、自分の子供が、志望校が求める生徒像と合っていると、面接官に印象付けことができれば、面接対策は、完璧です。^^
すなわち、この章では、子供のイメージを、志望校が求める生徒像に作り上げていくことが目的に進めていきます。
(*志望校が求める生徒像については、第1章の②を参照)
①面接官を惹きつける笑顔
◆笑顔の効果◆
「笑顔には、その人の魅力を増大させる効果がある。」
と、早稲田大学の人間科学部の宮崎正巳教授は、下記の様に述べています。
『コミュニケーション能力の定義は様々である が、他者と協調的な関係を築く上で「相手に好印象を与える」ことは重要といえる。
*引用:会話場面における笑顔表出の変化と印象形成の関係性分析「日本顔学会誌十四巻一号より」
印象の形成過程では言語・非言語を問わず多くの情報が用いられ、その中でも「顔情報」は他の情報よりも顕著 かつ利用可能性が高いと考えられている[2]。
特に、幸福感情を示す表情である「笑顔」は表出者に対する魅力評価を高める効果が知られており [3]、コミュニケーションへの応用が期待できる。』
面接でも同じです。
表情が与える印象は大きく、さわやかな笑顔は、あなたの子供の印象をアップさせる重要なポイントになります。
想像してみてください。もし、あなたの子供が、無表情で面接を受けていたら、どうでしょうか。
緊張していることを差し引いても、面接官には、自信がない、やる気がない印象を与えてしまうでしょう。
適切なタイミングで、明るい笑顔で対応していたら、面接官の印象はかなりアップするはずです。
ここで、笑顔に関する重要な注意点を言います。
➀笑顔のタイミング
・自分が、質問に答える時
・面接が終わって、「ありがとうございました」と言う時(👆自分のことを話す時に、笑顔で話すことで、積極的で、自信にあふれた印象を与えます)
②真剣な表情をする時
・自分以外の受験生が話している時
・面接官が、自分に質問している時(👆他の人の話を、真剣に聴く姿勢が大事です)
③あごの高さが重要
・話す時には、あごを上げたり、下げたりしないように注意します。
なぜなら、あごが上がると、目線が下向きになり、面接官に横柄な印象を与えます。逆に、目線が上向きで、下から覗き込むようにすると、媚びているような印象になります。
では、実際に、さわやかな笑顔ができているかどうかチェックしてみましょう。
◆自然な笑顔を身につける◆
*準備するもの:マスク・割りばし
➀親子で、鏡に向かって並び、普段笑っているように笑ってみてください。
いかがですか?お互い、相手の顔は、笑っているように見えますか?
②マスクをした状態で、顔が笑っているかどうかをチェック。
「目は口ほどにものをいう」 ことわざの通り、目の表情も大切です。
真剣になりすぎて目の印象がキツく見える場合には、目を少し細めるようにして、目の緊張を緩めてください。
③ ②で、笑って見えるようになったら、マスクを外し、口角(*口角=唇の両端)を上げます。
この時に、歯は見せないようにします。
この時に、口角が上手に上がらない場合には、割りばしを使って練習します。
割りばしを、真横にくわえます。その時に、前歯で噛むのではなく、口角で噛むようにします(*口は閉じなくて良い)
この状態で、10秒キープしてください。
キープし終わったら、割りばしを外して、口を閉じてください。
(注意:割りばしを外す際に、口や唇に木片が刺さらないように、十分に気を付けてください)
こうすることで、口角がしっかりと上がるようになります。
もし、口元や頬が、ピクピクする場合には、朝晩の歯磨きの終わりに、キープする練習をすると、顔の表情筋を鍛えられて、震えないようになります。
いかががですか?口を閉じていても、微笑んでいるように見えますか。
歯磨きするたびに、何度も行って、自然な笑顔を身につけてください。
②明るくさわやか印象の髪形・服装・持ち物
本書の巻頭特集でも、お伝えしたように、面接官は、入室時の身だしなみを良く見ています。
特に髪形や服装は、視覚へ訴える情報量が多いため、身だしなみが整っていないと、面接官にマイナスの印象を与えてしまうので、十分に準備をしましょう。
この項の最後に、身だしなみチェックシートを載せましたので模擬面接の前や本番一週間前と前日にはかならずチェックしてください。
◆髪型◆
髪形は清潔第一であることは、言うまでもありません。その他のポイントは以下の通りです。
➀男女共通の髪形のポイント
前髪は、極端に短くする必要はありませんが、眉より長くならないようにして下さい。
また、当日は、寝癖がついていないか、きちんと整髪してください。
雨風が強い日には、行くまでの間に髪形が乱れてしまうこともありますので、事前に、自分で髪を整えることができるように、練習してください。
②女子生徒の髪形のポイント
顔に髪がかからないお辞儀をした時に、顔に髪がかからないようにしてください。
どうしても顔に掛かってしまう時には、耳の後ろをピンで留めてください。
なお、ピンや髪留めは、色が目立たないダークカラーにして下さい。
*髪が長い女子の場合は、みつあみ・ハーフアップ・一つ縛りのいづれかにしましょう。
③男子生徒の髪形のポイント
男子生徒は、清潔感が何より重要です。散髪の時期は、直前ではなく、顔なじみする1週間前が良いでしょう。
その際に、もみあげ・襟足は、短めにカットしてください。
当日の注意点は、寝癖を直すことはもちろんですが、気合を入れ過ぎて、トップをツンツンと立てるような整髪は、NGです。
◆服装◆
服装は、視覚情報が多い分、服装によって与える印象が変わってきます。
特に面接では、第一印象が重要ですので、小学生らしい明るくさわやかな印象になるような服装を選びます。
したがって、服装は男女ともに、シンプルなスタイルが良いでしょう。
また、受験は、概ね冬に行われることが多いので、体温調整のできる重ね着スタイルをお勧めします。
服装に含まれるのは、インナー・トップス・ジャケット・ボトムス・靴下・靴・カバンです。
・インナー:ボタンダウンシャツ、ポロシャツ、女子は、ブラウスでもOKです。色は、白・クリーム・ブルー系。
・トップス:ベストまたはセーター、カーディガン。色は、黒・紺・グレー。開きは、脱ぎ着しやすいVネックをお勧めします。女子のカーディガンは、クルーネックでもOkです。
*よくある質問:「ネクタイ・リボンはした方がよいですか?」
結論は、してもしなくても、どちらでも良いです。
むしろ、ネクタイが曲がっていたり、リボンがズレてしまう方が、NGです。
・ジャケット:私の面接塾では、特にジャケット着用をお勧めしていません。小学校の制服でジャケット着用が慣れている子供さんを除いては、無理にジャケットを着る必要はないと考えています。
ただし、校風上、ジャケット着用が望ましい学校(有名私立中学校など)は、その限りではありません。
・ボトムス:男子は、シンプルなスラックス。色は、黒・紺・グレー。小学校6年生の男子は、この時期成長が早いので、ズボン丈がくるぶしより短くないか、気を付けて見てください。
手持ちのスラックスが、足首が見える場合には、もったいないと思うかもしれませんが、新調することをお勧めします。
*よくある質問:「チノパンはダメですか?」結論は、ギリギリOKです。
ただし、夏用で薄い生地のものや、使用回数が多くて膝がでているもの・擦り切れているもの・汚れが目立つものはNGです。
女子は、ひざ丈のシンプルなスカートが良いです。
丈が短くて、おじぎをした時にアンダーパンツが見えるもの、逆に長すぎるものはやめましょう。
プリーツスカートの場合には、シワになりにくい素材を選んでください。
色は、黒・紺・グレー・ベージュ。大人しい色のチェック柄・ストライプは、OKです。
・靴下:白(ライン入りでも良いですが、ない方がベストです)のソックス、クルーソックスが良いです。くるぶしが出るアンクレットソックスはNG。
女子は、白や紺のハイソックスでも良いですが、オーバニーは、避けてください。
注意:靴下は必ずスペアを用意してください。特に、当日雨の場合には、泥がはねて、靴下の後ろが汚れてしまうことがあります。
・靴:外靴と上履きを用意してください。(*ただし、その年ごとに入校の案内が変ることもありますので、必ず入試案内で確認してください)
外靴は、黒・茶色のローファーをお勧めしますが、汚れが少ないスニーカーであれば、お手持ちの黒系・白系のスニーカーでもOKです。
上履きは、黒・白のスニーカーまたは、小学校で使っている上履きでOKです。スニーカーの場合は、派手なラインなどが入っていない無地に近いものを選んでください。
普段使っている上履きの場合には、洗っても汚れがひどいもの、踵に踏み癖(*いつも履く時に、踵を踏んで履いているため、踵が潰れたり、シワが付いてしまっているもの)がついている場合には、新調することをお勧めします。
・カバン:カバンは、普段使っているものでも良いのですが、赤やピンク、黄色などの目立つ色やキャラクター模様は、控えた方が良いでしょう。
もし、新調するのであれば、中学校に入って使えるものを買いましょう。志望校に通っている知り合いなどに聞いてみましょう。
ただし、取り間違い防止のために、必ずカバンには目印になるようなキーホルダーやネームタグを忘れずにつけてください。皆さん、黒や紺のリュックが多いので。
◆小学校の制服を着る場合の注意点◆
普段着用している小学校の制服で面接を受けることも可能ですが、その際の注意点を3つお伝えします。
➀制服の汚れ:制服一式を冬休み期間中に、必ずクリーニングに出してください。
特に、袖口は目立ちます。もし、ジャケットにほつれや破れがある場合には、専門のリフォーム業者さんに相談して、少しでもほつれや破れが目立たなくなるように頼んでみましょう。
②ズボンの裾丈:6年生の終わりごろに制服を買い替える必要はありませんが、この時期の男子は、成長が早いので、ズボン丈がくるぶしより短くないか、注意して見てください。
もし、制服のスラックスが、足首が見えてしまう場合には、裾をできるだけ丈を長くするように直してください。
業者さんでも良いですし、裾をほどいて、黒の裾上げテープで留めても良いです。ただし、くれぐれも裾がほつれてこないように、十分に気を付けてください。
③全体的に使用感がある場合:一度、志望校の入試課に、制服以外でも大丈夫か、直接確認してみてください。特に着用の指示がなければ、上記に書いた服装で良いです。
また、入試案内に、「小学校の制服がある生徒は、それを着用のこと」などの趣旨の記載がある場合には、その限りではありません。
③面接にふさわしい言葉遣い・話し方
◆面接にふさわしい言葉遣い◆
面接は、面接官に自分の良さをアピールし、入学を許可するにふさわしい生徒であると認めてもらう大切な機会です。
したがって、友達言葉や普段の話し方は通用しません。
特に、日本語は敬語が発達しているので、使い方ひとつで面接官に与える印象も違ってきます。
この機会に、言葉のマナーを身につけましょう。
ただし、あまり敬語を流暢にこなすのは、芝居のような印象に感じられることもありますので、小学生に合った言葉遣いをマスターし、正しい言葉遣いで、入学への熱意を伝えます。
また、以下の言葉にも気を付けて話してください。
*正しい表現は、敬語の説明の後に一覧表にしてあります。
間違って使うと、面接官に不快感を与えかねないので、言葉のマナーをしっかりと身につけるためにも、必ず正しい表現を覚えてください。
また、【言葉遣い確認用テスト】を用意しましたので、こちらも必ず行ってください。
【会話の時だけに使う言葉】
「やっぱ」「そんな」「だけど」「っていうのは」「こないだ」「すごい」「なにげに」など
【短縮言葉】
「部活」「学活」「スマホ」「家教」「学祭」「学割」「自己チュー」など
【若者言葉】
「普通に~」「ってゆーか」「わたし的には~」「一応~」「めちゃ」「なんか~」など
【人の呼び方】
「自分・俺・あたし」「お父さん・お母さん」「おじいさん・おばあさん」「校長」「担任」など
①敬語の4種類
尊敬語 | 相手が目上の人や立場が上の人に対して使う。相手の動作・状態に尊敬の気持ちを表す |
謙譲語 | 自分や身内のことを言う時に使う。自分の動作や状態をへり下る事により、相手に尊敬の気持ちを表す |
丁寧語 | 言葉を丁寧にする事により、相手に尊敬の気持ちを表す *文章の最後に「です」「ます」を付ける |
美化語 | 言葉を美しくしたり、上品にしたりする表現。単語の前に「お」「ご」をつける *カタカナには付けない |
②敬語の変換
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
いる | いらっしゃる | おる | います |
する | なさる | いたす | します |
言う | おっしゃる | 申す | 言います |
行く | いらっしゃる | 伺う お伺いいたします | 伺います・参ります |
聞く | お聞きになる | 伺う お伺いいたします | 伺います・承ります |
食べる | 召し上がる | いただく | 食べます |
飲む | お飲みになる | いただく | 飲みます |
③感じの良い言葉遣いのコツ
《クッション言葉》
「申し訳ございませんが・・・」
「恐れ入りますが・・・」
「お手数ではございますが・・・」
「失礼ですが・・・」
《肯定的否定形》
「いたしかねます」
「できかねます」
《疑問依頼形》
「~していただけますか」
「~していただけませんでしょうか」
【よく使う敬語表現】
普段の表現 | 敬語表現 |
わたしのお父さんは、サラリーマンをしています。 | わたしの父は、会社員です。 |
先生の都合を聞いてから行きます。 | 先生のご都合を伺ってから参ります。 |
校長に、そう言いました。 | 校長先生に、そう申し上げました。 |
担任が来た。 | 担任の先生がいらっしゃいました。 |
わたしが、持っていきます。 | わたしがお持ちいたします。 |
火曜日に、先生からもらいました。 | 火曜日に、先生からいただきました。 |
小学校の先生が、言ってました。 | 小学校の先生が、おっしゃっていました。 |
早めに行きます。 | 早めに伺います。 早めに参ります。 |
【普段使いの言葉】
普段使いの言葉 | 正しい表現 |
やっぱ やっぱり | やはり |
そんな | そのような |
だけど | ですが |
っていうのは | というのは |
こないだ | このあいだ 先日 |
すごい すっごい すげー | たいへん 非常に |
なにげに | 何気なく |
ちゃんと | きちんと はっきりと |
一発で | 一度で |
いろんな | いろいろな |
~じゃなくて | ~ではなくて |
【短縮言葉】
短縮言葉 | 正しい表現 |
部活 | 部活動 |
学活 | 学級活動 |
スマホ ケータイ | スマートフォン 携帯電話 |
家教 | 家庭教師 |
学祭 | 学園祭 |
学割 | 学生割引 |
自己チュー | 自己中心的 |
ノンレス | レスポンス(返信)がない |
【若者言葉】
若者言葉 | 正しい表現 |
普通に、部活やりたいです | (普通は入れない)部活動をやりたいです |
ってゆーか、先生に進められたから | (ってゆーかは入れない)先生に進められたからです |
わたし的には、気に入っています | わたしは、気に入っています |
一応、陸上部に入っています | (一応は入れない)陸上部に入っています |
受かったら、めちゃうれしいです | 受かったら、たいへんうれしいです |
○○な人:あたしって、几帳面な人なんで・・ | わたしは、几帳面です |
なんか~、受けてみようかなと・・・ | (なんかは入れない)受けてみようと・・・ |
っていうのは、ちがくて・・・ | というのとは、違って・・・ |
【人の呼び方】
普段使いの言葉 | 正しい表現 |
自分・俺・あたし | わたし |
お父さん・お母さん パパ・ママ | 父・母 |
お兄さん・お姉さん | 兄・姉 |
おじいちゃん・おばあちゃん | 祖父・祖母 |
校長 | 校長先生 |
担任 | 担任の先生 |
親 | 父・母、両親など具体的に |
【言葉遣い確認用テスト】解答例
No. | 普段使いの言葉 | 面接にふさわしい表現 |
1 | 俺・あたし | わたし |
2 | 先生の話 | 先生のお話 |
3 | 年取ってる人 | お年寄り お年を召した方 |
4 | 男の人 女の人 | 男性 女性 |
5 | 面接官が言ってました | 面接官がおっしゃっていました |
6 | 担任 | 担任の先生 |
7 | 校長が来ました | 校長先生がいらっしゃいました |
8 | お母さん | 母 |
9 | お父さん | 父 |
10 | おじいちゃん | 祖父 |
11 | おばあちゃん | 祖母 |
12 | 生徒会長をやってました | 生徒会長をしていました |
13 | 親としゃべりました | 両親(or父・母)と話しました |
14 | 校長が見ていました | 校長先生がご覧になっていました |
15 | ケータイ | 携帯電話 |
16 | 部活は、卓球です | 部活動は、卓球部です |
17 | 先生からいろんな話を聞きました | 先生から色々なお話を伺いました |
18 | やっぱ、ムリだと思う | やはり、難しいと思います |
19 | ○○だけど・・・ | ○○ですが… |
20 | マジで、勉強しました | 必死に(本気で)、勉強しました |
21 | 先生は、さっき出ていきました | 先生は、先ほど出て行かれました |
22 | もう一度、言ってください | 恐れ入りますが(申し訳ありませんが)もう一度、おっしゃっていただけませんか |
23 | 一応バスケットをやりたいです | バスケットをしたいです |
24 | すみません | 申し訳ございません 申し訳ありません |
25 | めちゃがんばりました | とても頑張りました 本気でがんばりました |
◆面接にふさわしい話し方◆
面接では、質問に対する自分の思いや考えを話す際に、その言葉が、面接官に、ちゃんと伝わっていなければ意味がありません。
「声が小さくて、何を話してるのかわからない」「早口で、聞き取れない」のでは、評価のしようがありません。
前項で述べた、正しい言葉遣いをすることは、もちろんですが、下記の点にも注意しましょう。
➀ムダな口癖を言わない
話の初めに、「えー」「あのー」と、言うと、自信がなく、幼稚な印象を与えてしまいます。
それが口癖になっているの子供の場合には、日頃の会話でも言っているので、家庭でも注意してください。
②声の調子:声の大きさ・声の高さ・話すスピードを調整する
声の大きさ:面接では、特に声の大きさは、重要です。空間(部屋の広さ)に合わせて、調節して話しましょう。
そして、声は小さくて面接官に聞こえないのが、一番困ります。
家で練習する時には12畳程度の両端に立って、相手に聞こえるように大きな声で話しましょう。
逆に、体育系のクラブに入っている子供は、声を張り上げる傾向の子供もいます。
大きければ良いというものではありませんので、声を張り上げるのではなく、しっかりと伝えるという気持ちで話すようにして下さい。
③声の高さ:普段話す時よりも、少し高めの音で話すと、明るい印象を与えます。
ただ、キンキンと高い声、ボソボソと低い声はNGです。あなたの子供の声質を知るためには、話し声を録音して、親子で聞いてみてください。
どの声の高さが良いか、子供自身が自分で知ることが大切です。
④話すスピード:早口で話すと、「落ち着きがない」という印象を与えてしまいます。
大切なところはゆっくりと、そうでないところは、すこし早めに話すなど話すスピードにメリハリをつけると良いでしょう。
④熱意が伝わる態度
本書の巻頭特集「面接の目的」でも述べたように、面接は、
➀自分の学校に入学させたい生徒の選別
②調査書や適性検査では見えない子供の熱意や真の姿を見極める
このために行われるわけですから、あなたに子供が、その学校に入りたいという気持ちを、ピンと背筋が伸びた礼儀正しい姿勢やきちんと揃えた指先で、入学の熱意を面接官に感じてもらうことが大切です。
◆熱意が伝わる3つのポイント◆
➀正しい姿勢(立位・座位)
姿勢は、その漢字の通り「姿(すがた)」の「勢い」ですから、姿勢からその人の外見だけでなく、内面も判断される要素です。
例えば、「猫背気味」の生徒は、本人の気持ちとは関係なく「元気がない」「やる気がない」など消極的な印象を与えてしまうことがあります。
特に、中高一貫校の面接は、5人1組の集団面接ですから、5人が一斉に横並びになると、姿勢の良し悪しが目立ってしまうので、正しい姿勢を身につけましょう。
【姿勢チェックシート 立位】
・足元に障害物のない壁際に立ちます。
項目 | ✔ |
左右の肩の高さは、床と水平になっているか | |
顔は正面を向いていて、顔が左右どちらかに傾いていないか | |
猫背になっていないか | |
顔だけ前に出ていないか | |
膝は、しっかり伸びているか | |
指先は伸びて、スラックスやスカートの脇線に沿っているか | |
足は、足先は、両方とも正面を向いているか(かかとはつける) | |
横から見た時のライン(耳~肩~腰~膝~かかと)が一直線になっているか | |
口角が上がった自然な笑顔になっているか |
【姿勢チェックシート 座位】
・椅子を1脚用意して、椅子の左側に立ち、静かに座ります。
項目 | ✔ |
顔は、正面を向いているか | |
背筋が伸びているか | |
背中は、背もたれにつけない | |
手は、ひざの上にあり、指先は伸びているか *男子の場合には、両手を軽く握っても良い | |
かかとは、膝頭から垂直に下ろした位置にあるか |
②好印象の歩き方
入退室時には、歩き方にも気を付けましょう。
歩き方の基本的動作は、正しい立姿勢のまま、足を交互に出して、移動するイメージです。
しかし、毎日している動作ですが、実際に行ってみると、上手に歩けない人が多いです。
では、歩き方の印象について説明します。
例えば、横断歩道の前に、人が立っていて、歩き出しました。
イメージしたAさんとBさんの歩き方の印象は、どうでしょうか。
Aさんの印象:
Bさんの印象:
面接で歩く距離はそれほど長くはありませんが、面接官には、↑のような印象を与えますので、日頃から気を付けて歩きましょう。
【歩き方チェックシート】
・部屋の中ではなく、廊下など、全身を少し離れた位置から見える場所で、歩く姿を撮影してください。
*注意:靴は面接用の室内靴(靴下着用)を履いて行ってください。
項目 | ✔ |
顔は、進行方向を見ているか 下を向いていないか | |
上半身が左右に揺れていないか | |
膝が曲がっていないか | |
手は、ひじを伸ばして、前後に自然に振っているか | |
猫背になっていないか | |
口角が上がった自然な笑顔になっているか |
《お願い》
*子供の歩く姿を、録画して、親子で必ず確認してください。録画の際は、 正面だけではなく、横からの姿も撮ってくださいね。
*歩き方は、急には治りません。姿勢を意識して毎日行ってください。
③入退室のマナー
中高一貫校の面接は、集団面接が多いのですが、ここでは、1人の場合の入退室のマナーについて説明します。
一連の流れ:
①入室➡②入室の挨拶➡③椅子の横で名乗る➡④席に座る➡⑤質問に答える➡⑥席を立つ➡⑦お礼の挨拶➡⑧退室の挨拶➡⑨退室
さらっと言うとこのような感じです。
①入室➡②入室の挨拶:
ノックを3回(*2回はトイレ)して、両手で静かにドアを開ける➡部屋に入ったら、静かにドアを閉める➡入り口で「失礼します」と言い、面接官に向かって、敬礼の分離礼をする。
③椅子の横で名乗る➡④席に座る:
椅子の左側に立ち、面接官の指示に従って、受験番号や名前・出身小学校を告げ、最後に「よろしくお願いします」と言って、最敬礼の分離礼をする。
椅子に座るタイミングは、面接官から「どうぞお掛けください」などの指示があるまで待つ。(*勝手に座らないように!)
*注意:椅子の立ち位置ですが、もし前の人が椅子の右側に立ってしまったっ場合には、ムリに左側に立たなくても良いです。
椅子の間隔が狭いと身体がぶつかってしまいうので、前の人に合わせて立つようにして下さい。
⑤質問に答える:
質問に答える前には、「はい。私は~」というように、質問した面接官に向かって「はい」と返事をしてから答える。
また、他の人が話している時にも、下を向いたりせず、顔は面接官の方を見て(*この時、視線を少し落としても良い)、発言の順番を静かに待つ。
⑥席を立つ➡⑦お礼の挨拶:
面接官から「以上で面接は終了です」などの終了の言葉を聞いたら、静かに席を立つ。
椅子の左側に立ち(*隣の人の立ち位置を見て、場合によっては、右側に立つこともある)、笑顔で「ありがとうございました」と、お礼の挨拶最敬礼の(分離礼)をする。
その時にはお礼を伝えるので、ゆっくりと行う。
⑧退室の挨拶➡⑨退室:
ドアの前に進んだら、面接官の方に向きを変えて、「失礼します」と言う。
この時の敬礼の分離礼をする。ドアを静かに開け、部屋を出たら、また面接官の方を向き、目礼(おじぎはしないで、目を伏せた状態)をしながら、両手で静かにドアを閉める。
以上が入退室のマナーですが、面接は、常に見られていることを忘れないでください。
面接は、複数の面接官で行われ、それぞれの役割分担しています。
A先生は、質問者と進行役、B先生は、質問の回答のチェック役、C先生は、身だしなみ、しぐさや態度、目線、姿勢などのチェックをしています。
話すことばかりに気を取られていると、指先がゴチョゴチョ動いたり、視線がキョロキョロしたりと、日頃の癖が出てしまいます。家庭でも、しっかりとチェックしてください。
また、面接か終わったからと言って、部屋を出た後に、大きな声で話したり、だらしない態度を取らないようにしてください。
試験は、学校を出て、家に着くまでは終わっていません。
⑤好感度を上げる挨拶
◆挨拶とは◆
挨拶は、人と人が関わる時の最初のマナー。コミュニケーションの基本です。
相手の存在を認めて、大切に思う気持ちが、挨拶に伝わり、円滑な人間関係を築くことができるのです。
また、学校でも明るく元気な挨拶ができるかどうかで、友人関係に影響を及ぼすことがありますので、普段から正しい挨拶ができるよう、家庭でも気を付けて見てあげてください。
面接においても、挨拶が面接官に与える影響は大きいです。
挨拶の印象が良いと、その後のコミュニケーションがスムーズの行われますので、この項をよく読んで、好感度を上げる挨拶をしっかりと身につけてください。
注意点:挨拶は必ず、心を込めて行うことが大切です。気持ちがこもっていない言葉だけの挨拶は、慇懃無礼(いんぎんぶれい)と言って、かえって相手に対して、失礼な行為になりますので、十分に注意しましょう。
◆基本の挨拶◆
挨拶には、分離礼と同時礼がありますが、面接では、言葉とおじぎを別々に行う分離礼を使います。
分離礼は、先に言葉を言ってからおじぎをするので、相手に丁寧な印象を与えることができて、面接に適した挨拶です。(*同時礼については、説明を省きます)
また、挨拶には、会釈・敬礼(普通礼ともいう)・最敬礼の3つの種類があり、使う場面や状況によって、使い分けが必要です。
それでは、好感度を上げる正しい挨拶の仕方=分離礼のポイント・3種類のおじぎについて説明します。
◆分離礼のポイント◆
◆敬礼で説明します。①➡⑤の順番で行ってください。
➀背筋をしっかりと伸ばした正しい姿勢で、面接官の方を向く
②口角を上げてにこやかな笑顔で面接官に視線を合わせる(注意:歯は見せない)
③先に、言葉=「失礼します」を言う
④その後におじぎをする
■腰から状態を倒す。この時、頭~腰まで一直線になるようにする。
*この時に、背中が丸くなったり、首だけ下げないように注意してください。
■角度が、30度のところでいったん止める。
■一呼吸おいてから、ゆっくりと状態を元に戻す
⑤面接官の顔を、再度にこやかに面接官に視線を合わせる。
◆3種類のおじぎ◆
お辞儀には会釈、敬礼、最敬礼の3種類があります。
それぞれの場面に応じて角度が変わります。
◯15度のお辞儀:会釈
軽いお辞儀です。上体を15度傾けます。
部屋の入退室や廊下でのすれ違いざまの挨拶、お茶を出す時に使います。
◯30度のお辞儀:敬礼
一般的な挨拶です。上体を30度傾けます。
お客様を出迎える時や、目上の人への挨拶に使います。
◯45度のお辞儀:最敬礼
最も丁寧なお辞儀です。上体を45度傾けます。
お詫びや無理なお願い事、丁寧にお礼を述べる時に使います。
◆親子で挨拶をしよう◆
さあ、挨拶のポイントを学んでいただいたところで、実際に挨拶のロールプレイをしてみましょう。
では、その方法を説明します。
【パターン1】子供1人で行う
親は、笑顔・姿勢(猫背・首だけのおじぎ)・視線合わせのチェックをしてください
➀ 壁に背を向けて立ち、姿勢を正す。 壁に頭~肩~腰~ふくらはぎ~かかとを付ける。
表情はにこやかな笑顔を忘れずに。(注意:歯は見せない)
② ➀の状態を維持したまま、大きく一歩前に出る。
③ ②の状態で、今度は「よろしくお願いします」と明るく大きい声で言い、その後におじぎをする。この時は、45度の最敬礼で。
④ 元の姿勢に戻す。
この時も表情はにこやかな笑顔を忘れずに。(注意:歯は見せない)
【パターン2】「パターン1」を親子で向き合って行ってみましょう。
それぞれが行ってみて、良いところ・直すところをアドバイスしてください。
以上で、面接に必要な内容は、すべてクリアです! 次は、いよいよ模擬面接です。 面接対策制覇まで、もう少しです。 がんばりましょう!
次回予告
明日の最終章では、具体的な模擬面接の方法についてお伝えします。
これをマスターすれば、親子でリアルな模擬面接をすることが出来るため、本番で完璧な受け答えができること間違いなしです。
では、また明日お会いしましょう!
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